2015年3月第4週の主なできごと
・東急プラザ渋谷、49年の歴史に幕(3月22日)
・大阪桐蔭 裏金は5億以上(3月25日)
・独旅客機事故 「意図的」に墜落か(3月26日)
・ハリルジャパン初勝利! 岡崎、本田がゴール(3月27日)
・プロ野球セパ開幕(3月27日)
大塚家具、世紀の親子対決
速水健朗(以下、速水) 今週は大塚家具について。3月27日に行われた株主総会の投票結果が伝わってきたけど、なんと事前の予想を覆す久美子社長の逆転勝利!
おぐらりゅうじ(以下、おぐら) 創業者で父親の大塚勝久会長による「悪い子どもをつくってしまった」などの発言をはじめ、お家騒動としてこのひと月、経営権をめぐって揉め続けていました。
速水 直前の票読みでは、久美子社長サイドが約21%、勝久会長サイドが約28%と、会長側がやや有利と伝えられてたんだけど、一般株主の「強い支持」などをもって出席株主の61%が久美子社長の側に投じて、娘の勝利という結果になった。
*1 久美子社長側提案に61%の支持 大塚家具、騒動を陳謝
おぐら 会長と社長、そして父と娘であり、父のほうは定時制高校出身の叩き上げ創業者、娘のほうは一橋大学経済学部卒で金融やコンサルを渡り歩いてきたバリキャリ*2で、完璧な対立構造が出来上がっていましたよね。
*2 バリバリのキャリアウーマン。
速水 父は美食クラブを主催する一流文化人で、息子は一見うだつは上がらないけど食べることには人一倍の情熱を持つ新聞記者……。
おぐら 『美味しんぼ』の海原雄山と山岡士郎?
速水 それに匹敵する世紀の親子対決かと。
おぐら あの親子はもう和解しましたけどね。いや、でもこの騒動って、いまの日本が抱える様々な問題を内包してますよ。最も分かりやすいのは、世代間ギャップの問題。
速水 会見の第一幕からしてドラマだった。
おぐら 父親の勝久会長は、自分に忠誠を誓った幹部社員たちをずらっと並べて会見に挑んだのに対して、久美子社長はノートPCを携えて一人でパワポによるプレゼン。
速水 前者は浪花節なわけだよね。これまで家族同然でやってきた社員を守るために自分は立ち上がったんだと。そして後者はスクリーンにグラフを映して、データを示した。ポイントはこのパワポを使ったところにあると。
おぐら まさに。会長からすれば、データとかグラフとか、そういうことじゃない。商売も会社も大切なのは義理と人情だ、みたいな印象を受けました。
速水 去年の小保方さん騒動の時に、小保方さんはパワポにデータを収集していたんだよね。そしたら『報道ステーション』で古舘伊知郎が、「わかる人にはわかるのかもしれませんが、私にはわかりませんでした」って発言して、パワポが問題みたいなコメントをしたんだよ。
*3 報ステで古館伊知郎がパワーポイントを「知らない」と発言し話題に
速水 それで、今回が第二次パワポの乱。でも、ほんとパワポ以前以後で世代が分断されているっていうのはあるかも。
おぐら ちなみにこの件の本質は、ガラケーの逆襲、つまり「ガラケー・リターン」とも似た構図があるなと思っています。
速水 ガラケー・リターン?
世代間ギャップが起こす「ガラケー・リターン」とは
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