第40回】「グローバルシチズン」という新たなアイデンティティの誕生

各国の名門校で学び、世界トップのシンクタンクに所属した筆者が、知のグローバル競争の最前線事情を語る


〔PHOTO〕Thinkstock

消えるアイデンティティ・クライシス!?

海外で子育てをする日本人の親の最大の心配の一つに「アイデンティティ・クライシス」がある。海外にいると、自分がどこの国に属しているのかを確かめたくなる時期が来て、子供たちは喪失感を抱き、深く悩むといわれる。海外で子育てをしている我が家もその対策を含めて長期の教育計画を常に練り直している。日本では帰国子女の存在とともに認識され始めたこのフレーズだが、世界ではアイデンティティ・クライシス自体が消えようとしているようだ。

先日、フランス留学時代の同期とシンガポールで再会し食事をする機会があった。彼自身は生粋のイギリス人で、奥さんは幼児の頃に台湾からアメリカに移住した台湾系アメリカ人。フランスで出会い、結婚して今は二人でシンガポールでビジネスをやっている。最初の子供はパリで、二人目はシンガポールで生まれた。

彼に日頃私が抱えている娘のアイデンティティ・クライシスについての悩みをぶつけてみた。その時、彼から帰ってきた答えはシンプルで自信にあふれた断定的なものであった。

「もううちの子やその周りの子たちにはそれはないよ。彼らの時代は"グローバルシチズン"っていうアイデンティティができているんだ」

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

現代ビジネス

この連載について

初回を読む
田村耕太郎「シンガポール発 ASEAN6億人市場が世界を動かす!」

田村耕太郎

世界最高の高等教育を誇るアメリカをはじめ、シンガポール、インド、中国、ヨーロッパ、そして日本は、グローバルで戦うために、いかに「知」を鍛えているのか。各界で国際的に活躍する人材は、どうやって自分を磨いているのか。各国の名門校で学び、世...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

Tweetがありません