逆説的な資本主義への想い
—— 『たった一人の熱狂』のなかで、すごく印象的なのが、21歳のとき、学生運動で世界を変えようと志すも、挫折する話です。そこから見城さんは、醜い資本主義のこの世界でのし上がってやろうという、真逆の方向につきすすむわけですよね。これも厚みのある激しいドラマですね。
見城 いやいや、みんな人それぞれがそれぞれのドラマがあるでしょう。俺はたまたまこうやって自己表出をしなければいけなくなっただけで、この本はそれを説明しないと嘘になってしまうから。
俺はね、単なる野心家が嫌いなの。「野心なんか豚に食われろ」と思う。自己否定を重ねた上で、自己肯定をしない限りは、本当の自己肯定にはなりえない。
—— 起業家になりたいギラギラした人たちが集うようなパーティとかは?
見城 死ぬほど嫌い。ヘドが出る。
—— 本書の中では、「金が全てだ」の項で、「儲かることが善だ」と言い切っていますが、やはりこれは見城さん流の強烈な逆説なんですよね。