好きなもの」を追っかけていきたい—石原壮一郎(コラムニスト) vol.6

家での肉の最高においしい食べ方を追求した肉マニア本『大人の肉ドリル』。重版も決定した同書著者の松浦達也さんが、気になる「食」の人、「肉」の人に会いに行く――。「伊勢うどん大使」石原壮一郎さんとの対談は今回で最終回。松浦さんといえば「肉」、石原さんといえば「伊勢うどん」というイメージが定着していますが、ライターが専門性を持つことによって生じる「あるリスク」とはいったい何なのでしょうか? また、石原さんの故郷、松阪市にある「中華そば」は、私たちが普段口にするものとは少し違うようで……。

松阪市は「うどん」ではなく「中華そば」

松浦達也(以下、松浦) それにしても石原さんは、本当にすっかり最近「伊勢の人」ですね。

石原壮一郎(以下、石原) もちろん伊勢にはたいへんお世話になっていますが、松阪出身者として松阪への愛も十二分に抱いているつもりです。じつは松阪は、最近「豪商の町」として売り出そうとしていて……。

松浦 (この気配りの細やかさ……)そ、その話はまたあらためて伺います。そもそも松阪の方って伊勢うどんは召し上がるんですか?

石原 伊勢の人ほどは食べないですね。松阪のうどんって普通のうどんなんですよ。やわらかいけど、おつゆのあるうどんなんです。

松浦 松阪だと名古屋文化は入ってきていたりはしませんか? きしめんとか味噌煮込みうどんとか。

石原 北部の桑名あたりは名古屋のベッドタウンでもあるんですが、松阪まで来るとそれほど名古屋の影響は強くないですね。きしめんや味噌煮込みは東京と同じくらいの頻度かなあ。それより松阪の特徴は中華そばですね。

松浦 中華そば……ラーメンではなくて?

石原 明らかに別物ですね。透明なスープで塩は効いているけど、塩ラーメンではない。玉ねぎ、なるとなどが入った五目そばのような……。玉ねぎを入れた中華そばというのは、他であまり見たことがありません。

松浦 タンメンのような感じでしょうか。

石原 似ていますけど、もう少しすっきりしたイメージです。松阪市内には昔からそういう中華そばを出している店が、知っている範囲で3~4軒はありますね。

松浦 伊勢うどん大使に続いて、松阪中華そば大使ですね!

石原 もちろん何かお手伝いするのは、まったくやぶさかではありませんが、その3~4軒で果たして盛り上がるかどうか(笑)。

伊勢うどん活動にはリスクもあった

松浦 でも伊勢うどん活動に力を入れはじめた頃もそうでしたよね。さっき話に出た伊勢うどんカフェで大行列ができたとき(2013年1月)のときも、まだ本気で本を出すおつもりはなかったんですものね。

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たまごはん/にくごはん

松浦達也

人は肉によってのみ生きるものではない。もちろん卵によってのみ生きるものでもない。誰かと交わす、ひとつひとつの言葉によって生かされるのだ――。と誰が言ったか言わないか。食べるも口ならしゃべるも口。酸いも甘いも卵も肉も噛...もっと読む

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babakikaku_m cakesの「肉食巡礼」、ゲスト石原 壮一郎さんのターン最終回。わざとらしく写り込んでいるサッポロビールさんの協賛はついておりません。ご連絡をお待ちしております。| vol.6|松浦達也 @babakikaku_m |... http://t.co/vJXbstYxVG 5年以上前 replyretweetfavorite