ひとりの日本人女性が「パリコレ」の舞台裏で活躍する職人になるまで

ファッションの本場、パリでは今月始めにパリ・コレクション、通称「パリコレ」が開催されました。「パリコレ」という言葉は日本でも聞いたことがある人が多いと思いますが、ショーの裏側には製作に携わる日本人の職人たちも少なくないそう。今回は、パリで刺繍職人として働いている日本人女性の美由紀さんをご紹介。日本では飲食店で働いていたという美由紀さんがパリコレを支えるにいたったのには、どんな背景があったのでしょうか?

「パリコレ」の裏側で働く日本人って?

「ファッション・ウィーク」ってご存じですか? 各ブランドが集まって次シーズンのトレンドとなるファッションの展示会やショーを行うイベントのことで、数日間にわたって行われるためにこう呼ばれています。日本では「コレクション」というとわかりやすいかもしれません。

パリの街中で、えらく頭の小さな妖精のような女性を多く見かけたり、普段絶対に見かけないような謎の色や形のヘアスタイルや、気合いの入った全身コーディネートで何かを訴えかけてくるような奇抜なファッションの人たちを見かけるようになったら、ファッション・ウィークの最中だというサインです。

他にも、パリに住む日本人の友人らと連絡が取りにくくなったら「あ、そうか。みんなファッション・ウィークで忙しいんだった」と気づきます。

今月始めにも、秋冬プレタポルテ(高級既製服)のファッションウィークである『パリ・コレクション』、通称「パリコレ」が開催されました。

「パリコレ」の名は私も日本にいるときから聞いていましたが、当時は遠い世界の出来事と思っていました。ところがパリに住んでみると、華やかなファッションショーの裏側には、ショーの直前まで徹夜作業をし、怒濤の制作に携わる日本人の職人たちが少なくない、ということを知りました。

「専業主婦」になるつもりだったけれど……

今回はその1人、パリコレの「オートクチュール」や「プレタポルテ」でも必須の職人技、フランス刺繍の世界で刺繍職人として働いている女性を紹介します。

彼女の名前は、Gignoux美由紀さん。実は彼女、日本にいるときは刺繍職人ではありませんでした。

日本では飲食業や事務職員として仕事をしていた美由紀さんは、Language Exchange(※)の際に出会った旦那さまを追いかけて2011年に渡仏。
※外国語を勉強する違う国の人同士で、お互いの言葉を教え合う交流のこと。

パリでゆっくり新婚生活を楽しもうと思っていたところ、パリで彼の家族や友人らに紹介してもらうたび、毎回同じことを聞かれることに気がつきました。それは……

「あなたはこれからフランスで、どんな仕事をして生きていくの?」

という質問でした。

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パリジャン十色

中村綾花

“花の都”と称され、雑誌やテレビでもその優雅なイメージが特集されることの多い、フランスの首都・パリ。パンやスイーツはおいしいし、ファッションは最先端だし、歴史ある建物たちも美しいし、住んでいる人もおしゃれな人ばかり……と思いきや、パリ...もっと読む

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コメント

Sayako_Imazawa  cakesの記事面白すぎる 約2年前 replyretweetfavorite

ayakahan “@cakes_PR: 寿退社してフランスへ。専業主婦になるつもりがパリコレ職人になりました。 http://t.co/n5Bhx0oYbz @ayakahan http://t.co/gf9jGGfI1G” 2年以上前 replyretweetfavorite

ayakahan いよいよ公開!|[今なら無料!]生粋の日本育ち女子がのぞいた、泥臭くて“すっぽんぽん”なパリの日常! 2年以上前 replyretweetfavorite