それでも僕は、外科医をやめない

あなたは何のために仕事をするのか?

ペンネームの由来から始まり、医者として仕事をしていた時の印象的なエピソードをもとに、雨月氏が仕事観を語ります。雨月氏の仕事観にもっとも影響を与えた外科医がつぶやいた本音とは…? 都内の某病院で年間300件以上の手術をこなしながら雨月メッツェンバウム次郎氏が見つけた医者の本質。


こんにちは。外科医の雨月メッツェンバウム次郎です。

私ちょっと変わったペンネームを使っているせいか、「メッツェンバウムって何ですか?バウムクーヘン?おいしそう!」なんてご質問を頂きました。

「メッツェンバウム」とは、医療用の、主に外科医が手術中に使う極めて精巧なはさみの名前。先がしゅっと細くなっていて、0.1mmくらいの単位でもこれで切れます。私かなり愛用しているので、ペンネームに使わせていただきました。外科医によっては「メッチェンバウム」とも言いますが、私は「メッツェンバウム」派です。

さて、先日バイト先の病院でこんなことがありました。

あ、注釈ですが、医者ってバイトします。ほとんどの勤務医はバイトしています。よその病院に行って一晩当直したり、土日に病院の外来を担当したり。なぜか給料のワリがいいので、だいたい私の年収の30%くらいはこのバイトでまかなっています。

話を戻しますが、私が土日に行っているバイト先の病院でこんなことがあったんです。
白衣を羽織り、いつものように病棟に10時ごろ上がって行くと看護師さんからこんなお話が。

「先生、こんなことたまにしか来ないバイトの先生に申し上げるのも大変恐縮なのですが」

「ええ、なんでしょうか?何でもどうぞ^^」

「実はこの患者さんの痛み止めの麻薬が足りなくて・・。主治医の先生に上申したのですが、『指示通りやっていれば足りないはずがないでしょう』と感情的になられて追加で出してくれなかったのです」

「そりゃタイヘンだ」

「それで、主治医の先生にそれ以来このお話ができなくなってしまい、今日に至るのです」

私はこうナースから聞いてびっくりしましたが、「いるよな、こういう医者」とも思いました。なんでこんなことになっちゃうのでしょう?それは、このドクターが自分の仕事の「本質」をわかっていないからだと思うんです。

そもそも医者って、病人を癒し、病気を撃退し、人々の苦痛を取ることが生業ですよね。その少し先には、「困っている人を助ける」という「本質」があるはずなんです。困っているナースを助けるのだって、同じことだと思うのです。

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それでも僕は、外科医をやめない

雨月メッツェンバウム次郎

高学歴エリート集団だと思われがちな外科医の世界は、実は、毎日人を切り刻んでる特殊な世界です。現役医師が語る外科医の世界は、とっても不思議な世界。毎日、さまざまな患者さんと接し、手術をするなかで感じたことを、ありのままに語ります。not...もっと読む

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コメント

c_polaris 外科医の雨月メッツェンバウム次郎さんの超絶リアルな話しがおもしろいんですけど! https://t.co/EF303Upqcy 4年以上前 replyretweetfavorite

c_polaris https://t.co/EF303Upqcy 4年以上前 replyretweetfavorite

notNewArai “@cakes_PR: 医者に本当に必要なこととは? http://t.co/NARN3gaE9L @ugetsujiro http://t.co/fRIvnwHPHI” 本質 4年以上前 replyretweetfavorite

kay_aya シゴトのホンシツ。そんなものが見えない人が多いのかも。| 4年以上前 replyretweetfavorite