傷口から人生。

特別になりたい?

10代のころ、特別になりたかった小野美由紀さん。思い通りにならない中学校は不登校になり、代わりに通い始めたフリースクール。そこで出会った先生とのふれあいで小野さんはあることに気づきます……。
『傷口から人生。 メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった 』
(幻冬舎)の内容の一部をcakesで特別公開しています。

 10代の頃、私は「特別になりたい」子どもだった。

 まず、目立ちたがりや。そして、偉そうな態度。他人と一緒はいやだ、お前らなんかと一緒にするな、と息巻く一方、自尊心は低くて、いつも周囲の目を気にしていた。自分と周囲のずれに敏感なのに、ずれをわざと起こそうとして、露悪的にふるまう。そういう子どもにとって、学校は針のむしろだった。

 私が中学にいかなくなるのに、さして時間はかからなかった。

 親も先生も、あたふたしていたのは覚えている。その頃、私は親を強烈に憎んでいたけれど、そのことを表現できない、へたれな子どもだった。へたれなので、自分の中に溜め込んで、体調の悪さに変えて、親を困らせていた。

 あたふたの果てに、かつぎこまれたのは総合病院の精神科だった。精神科には二種類の先生がいる。「お薬」をくれる精神科医の先生と、話を聞く役目のカウンセラーの先生だ。私は前者のほうには決して心を許さなかったけれど、後者の先生には、心を開いていた。

 前田先生は、当時、フリーでカウンセラーをしていた、50過ぎのおばちゃんだ。いつも、ヒッピーみたいなとんちんかんな恰好をしている。娘が不登校をやったのをきっかけに、カウンセリングの世界に入ったのよー、と笑いながら言っていた。

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傷口から人生。

小野美由紀

中3で自傷&不登校。大学に馴染めず仮面浪人。留学、TOEIC950点、インターン等々の無敵の履歴をひっさげ大企業の面接に臨んだのにパニック障害に! 数々の困難にぶつかってきた女子、小野美由紀さんの衝撃と希望の人生格闘記『傷口から人生。...もっと読む

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コメント

dubbedpachi 『「特別である」ということは、決して自分と違う人のことを否定することではない』 | 約5年前 replyretweetfavorite

suguruko ”特別でないことは、さみしいことではない。 ” 約5年前 replyretweetfavorite

JMAT710 cakesてこんなに作品の中身公開(期間限定やけど)すんねや。びっくり。買って少し損な気分。"@cakes_PR: 「特別になりたい」と悩んだら、どうすればいい? http://t.co/GQXprGNlvC @MiUKi_None http://t.co/K577otiSjy" 約5年前 replyretweetfavorite

ch1sa "「自分は人に馬鹿にされている」と思う人間ほど、特別な人間になりたがる" 約5年前 replyretweetfavorite