元榮太一郎(弁護士ドットコム)vol.3 社長とは、人一倍頭を下げる仕事である

黙っていても、依頼者から頭を下げられる弁護士という仕事をしていた元榮太一郎さん。社長になって意識が変わったのは、率先して自ら頭を下げるようになったことなのだとか。その話を聞いた藤野英人さんは、新卒で勤めた資産運用会社での経験から「世の中、頭を下げている人の勝ちなんだ」と実感したできごとについて語ります。また、後半では、上場してからの株価とのうまいつきあい方について、藤野さんが“2つのメッセージ”を伝えます。

頭を下げられるやつは、最終的に勝つ

藤野英人(以下、藤野) 自分が弁護士から社長になったな、と感じた瞬間ってありましたか?

元榮太一郎(以下、元榮) そうですねえ、人に深々と頭を下げることが、当たり前になっている自分に気づいたときですね。

藤野 ああ、それはおもしろいですね!

元榮 弁護士を専業でやっていたときは、やはり「弁護士先生」として扱ってもらっていたんですよね。相談が終わると、お客様が「今日はありがとうございました」と先に礼を言って、こちらが「ああ、こちらこそ」と返す。会食に行っても、いつもごちそうしてもらう側。依頼をいただいてお金を払っていただいているのはこちらなのに。そういうねじれが何となく落ち着かなかったんです。こちらから頭を下げる、食事代も払わないと落ち着かない、そうするのが当たり前の自分に気がついたとき、社長になったなと思いました。

藤野 これは大事なことですね。なぜかというと、社長って頭を下げない仕事だと思っている人も多いんですよ。社長は偉そうに社員をこき使う立場で、現場の人がペコペコ頭を下げてる、みたいなね。若い人で「僕、人に頭下げるの苦手だから、社長になりたいんですよ」みたいなことを言う人もいます。それを聞いていつも僕は「逆だよ!」と思ってるんです(笑)。

元榮 むしろ人一倍下げるべきですよね。

藤野 本当は、そうなんです。

元榮 ベンチャー企業ならなおさらです。大企業ではわからないけれど。それでもやっぱり社長さんは、どこの会社も頭を下げてるんじゃないでしょうか。

藤野 大企業だって、そうですよね。だって、会社の責任、社員のやったことの責任は、最終的に社長にかかってくるわけですから、頭を下げるのは当たり前なんです。これは、僕が証券会社時代に、起業しようとしたポイントでもあります。新卒で野村アセットに入社した僕は、中堅中小企業の投資担当部署に配属されて、毎日いろんな社長の話を聞いていました。いわば、元榮さんみたいな人がたくさん来るんですよ。

元榮 はい。

藤野 それは、僕および野村アセットからお金を引き出したいから。社長ってどんなときに力を発揮するかというと、お金をつかむときなんです。そういう力がない人は、上場できない。彼らは必死に、事業の将来性とか優位性を僕に語るわけです。

元榮 熱いですねえ。

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コメント

yaiask 藤野英人さんが、弁護士ドットコムを立ち上げた 2年以上前 replyretweetfavorite

takerui “社長とは、人一倍頭を下げる仕事である―― 2年以上前 replyretweetfavorite

suguruko ”世の中って最後には、頭下げてるやつの勝ち” 社長とは、人一倍頭を下げる仕事である―― 2年以上前 replyretweetfavorite

fu4 弁護士ドットコムの社長の元榮さんとの対談、第3段です。ぜひぜひお読みください。 http://t.co/VLzxYSQ4lJ 2年以上前 replyretweetfavorite