白い写真はただの紙? —「鈴木理策写真展 意識の流れ」

美しき佳き日本の風景を写真におさめる写真家、鈴木理策さんの写真展が香川県の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で行われています。こちらの写真展では、晴天の光を浴びてまばゆく映える雪の白をはじめ、豊かな自然を堪能できます。さらに鈴木さんの写真を見ていると、私たちが普段どのように視覚を使ってものを把握しているかわかるのです。彼の写真には人の目を誘導する独特の光が差し込んでいます。人の視線と光の関係を上手に利用した鈴木さんの写真は秀逸です。

瀬戸内海を渡り、香川県に入り、丸亀市の丸亀駅前で威容を誇る建築の内部へ足を踏み入れました。そこは丸亀市猪熊弦一郎現代美術館。開催中の「鈴木理策写真展 意識の流れ」展にやって来たのです。

鈴木理策は、1990年代から作品を発表し続けている写真家です。故郷である熊野の自然や風習、咲き誇る桜や深い雪景色と、日本らしさを感じさせる被写体を好んで取り上げてきました。

今展でも、美しき佳き日本の風景が、ずらり約80点も並んでいますよ。8×10インチフィルムを用いた、大型カメラで撮影されたものです。大きなカメラを使うと、細部までくっきり描写された画面ができあがります。花弁の一つひとつ、木々の葉の葉脈、水面に広がる波紋まで見て取れる写真を眺めていけば、ああ日本は美しい。そう再確認する思いです。

ただ、鈴木理策の写真は、それだけでは終わりません。美しいと同時に、ものを見るとはどういうことか、写真を通して何かを感知するとはどんな体験なのか。そんなところまで考えさせてくれる一面もあるのです。

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アート・コンシェルジュからの便り

山内宏泰

世に“アート・コンシェルジュ”を名乗る人物がいることを、ご存じでしょうか。アートのことはよく知らないけれどアートをもっと楽しんでみたい、という人のために、わかりやすい解説でアートの世界へ誘ってくれる、アート鑑賞のプロフェッショナルです...もっと読む

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