第10回】Selene開発者、西海枝昌彦

プロ棋士と互角以上の戦いを繰り広げるまでに進化した将棋ソフト。不可能を可能にしてきた開発者たちの発想と苦悩、そして迎え撃つプロ棋士の矜持と戦略。天才たちの素顔と、互いのプライドを賭けた戦いの軌跡。今日までのコンピュータ将棋に関する最前線を追った『ドキュメント コンピュータ将棋』が3月25日発売予定です。本連載では、本書から特に電王戦FINAL出場者たちの素顔や想いの部分を抜粋して紹介していきます。

コンピュータ将棋の最前線を戦う天才たちに迫った一冊、3月25日発売!


ドキュメント コンピュータ将棋 天才たちが紡ぐドラマ

 Selene(セレネ)開発者の西海枝昌彦(さいかいし・まさひこ)は1974年生まれ。珍しい姓で、同じ姓の人には、親戚以外には会ったことがない。現在はIT業界で、銀行や保険会社のシステムのマネージメントをしている。

 西海枝はファミコン世代である。昔はゲームといえば何でもやっていた。現在でもRPG(ロールプレイングゲーム)のドラゴンクエストとファイナルファンタジーはプレイしつづけていて、オンライン以外は、すべてのシリーズをクリアしている。

 プログラミングを覚えるきっかけとなったのは、CADオペレーターをしていた21、22歳のとき。

 職場の喫煙所でたばこを吸っているとき、後輩に冗談で、
 「おれがドラクエ10を作るから」
 と言った。すると後輩は
 「じゃあ、プログラミングができないとダメですね」
 と当然のことを言った。西海枝の反応は
 「え? プログラミングって何?」
 というぐらいのものだった。

 そこで後輩が「カルネージハート」というシミュレーションゲームを貸してくれた。ゲームを進めていくうちにプログラミングの基本概念がわかるという。借りて遊んでいるうちに、ほどなくクリアした。後輩の言葉を信頼して、これでプログラムを書ける、と思った。

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ドキュメント コンピュータ将棋

松本博文

プロ棋士と互角以上の戦いを繰り広げるまでに進化した将棋ソフト。不可能を可能にしてきた開発者たちの発想と苦悩、そして迎え撃つプロ棋士の矜持と戦略。天才たちの素顔と、互いのプライドを賭けた戦いの軌跡。今日までのコンピュータ将棋に関する最前...もっと読む

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コメント

no_ssi やるな後輩w 約2年前 replyretweetfavorite

doboccho @iwsky らしいねぇ https://t.co/2O32CSc8i0 約2年前 replyretweetfavorite

yskmjp この一連のSeleneの取材記事を読んでいると、今回の電王戦の結果が味わい深い。改良ではなく毎回いちから新しいロジックで作り直すSeleneが不成の実装で反則負けの結末。 約2年前 replyretweetfavorite

KITI_TW なんと、将棋ソフトを作った人が、まさに「IT業界で、銀行や保険会社のシステムのマネージメントをしている」のを今知ってしまった。https://t.co/2Tkp8US4Ga どこの銀行、保険会社だ。まずいぞこれ。将棋どころじゃない。本人かなり突き上げを食らうのでは。 約2年前 replyretweetfavorite