料理に合わせるワインではなく、ワインに合わせたフレンチを

Sumally代表・山本憲資さんのレストラン案内。今回は年度末に山本さんが訪れたふたつの高級店をご紹介します。一軒目は35歳以下の料理人のコンテストで優勝した、若手シェフのフレンチレストラン。料理に合ったワインを出すのではなく、ワインに合わせた料理を考えるという、飲むのが大好きな人におすすめのお店です。もう一軒は、ミシュランで三ツ星を取った日本料理の名店。贅沢河豚のフルコースの味とは。

若手随一のフレンチシェフによるワインのペアリングコース

3月、年度末である。いろいろとお祝いなどが重なって、贅沢なレストランに行く機会が続いた。一軒目は、新橋のフレンチ「ラ・フィネス」。小山薫堂さんがプロデュースする、35歳以下の料理人のコンテスト「U-35」第一回目のウィナーである杉本敬三シェフのレストランである。

僕は去年一度お伺いしたことがあって、今回は二回目の訪問。前回はたしかグラスワインとボトルをお願いした記憶があるけれど、この日はワインのペアリングでコースをオーダー。一皿に一杯に留まらず、お皿によっては2種のワインが供されるという素敵な内容となっている。

そしてアミューズにはこちらの名物ともいえる、スプーンに載せられた3種と、串に刺された3種がまず登場。どれも美しい。続いてはコンソメスープ。スプーンで飲むよりも、各々の口にあった量を自分で飲めるようにワイングラスに注がれていた。丸鶏をせっせ煮込んでとったというコンソメは、これまた美味で飲むたびにうっとり。

もはや暦は春ということもあって、バターがサクラ仕様に。桜の花でピンク色に染まり、葉でつつまれた様はまるで桜餅のよう。気分もあがる。ここからメインディッシュに進む。絶妙の火入れが施された魚に、ジューシーな子牛、あわせたワインもぴったりで高い満足度で胃が満たされた。

食後に杉本シェフの話を聞きながら感じたことがある。この日のワインは9種類出ていたが、どれも産地まで出かけ、生産者とじっくり話してセレクトしているとのこと。お皿に合わせてワインを選ぶのではなく、そのシェフの顔と味覚の好みを思い浮かべながら、ワインごとに合うお皿を考えていくといっても過言ではない、と。予約のときにペアリングのコースをおすすめされた理由も、そう思うとしっくりくる。ある意味、飲兵衛向けのグランメゾンといってもいいのかもしれない。

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フィットする晩餐

山本憲資

世界中の人の「欲しい」と「持っている」で繋がるウェブサービス「Sumally」の代表である、山本憲資(やまもとけんすけ)さんの連載がスタートしま す! 32歳という若さにして、膨大な数のレストランに通い、「食」にただならぬ情熱を注ぐ山...もっと読む

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