店員に「通」と思われる方法

寿司、フレンチ、バーなどで、店員から「通」に思われるにはどうしたらいいか、そんなことを考えたことがある人は少なくないと思います。今回の林伸次さんのコラムは、バーテンダーから見た「通」なお客さんとはどういう人かついて。また、バーに限らず、どんな種類のお店でも「通」に思わせられるようになるためのテクニックもご紹介します。

バーの接客で感じた「奥深い注文」

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

先日、カウンターであるお客さまからこんなことを言われました。

「林さん、寿司屋で一番最初にサバを注文したら、板前さんが『おお!』って思うらしいんですね。バーでバーテンダーが『おお!』って思う注文って何かありますか?」

なるほど。では、カクテルの多いみなさんがご存知のオーセンティックなバーの場合を考えてみましょう。

参考になるかわかりませんが、まずは僕がバーテンをしていて「おお!」って感じた時の話をご紹介します。以前、バーテン修行をしていたとき、イラストレーターの安西水丸さんを担当したことがありました。安西さんは座るなり「ギムレットを甘めで」とご注文されました。これは「おおおお!」って思いましたね。

普段カクテルを飲まない方にちょっと説明いたしますと、今のギムレットのレシピは「ジンを4分の3と生のライムを絞ったジュースを4分の1をシェイクする」と決まっています。これって甘味がないからすごく辛口ですよね。

でも昔のギムレットはコーディアルと呼ばれる甘味料が入った既製品のライムジュースで作ってたんですね。それが「お酒は甘口から辛口へ、人工から自然へ」という時代の流れでギムレットもどんどん辛口になって、今は甘味料が入ったライムジュースは使われないんです。

それをあえて「昔のスタイルのギムレットを」と安西さんは注文された、というわけです。安西水丸さんは若い頃、ニューヨークで過ごしています。もしかして、その当時、古いスタイルの甘いギムレットを飲んだのかもしれません。あるいは文学もお詳しい方でしたので、チャンドラーの『長いお別れ』の中で登場人物が「本当のギムレットの作り方」を語っているのをふまえて言ったのかもしれません。

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ワイングラスのむこう側

林伸次

東京・渋谷で16年、カウンターの向こうからバーに集う人たちの姿を見つめてきた、ワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さん。バーを舞台に交差する人間模様。バーだから漏らしてしまう本音。ずっとカウンターに立ち続けて...もっと読む

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コメント

shiiyank わたしの元上司もパスタはカルボナーラ、中華なら中華丼でお店との相性を測っていました!//// 4年以上前 replyretweetfavorite

shigwaio あるBarで「ジンソーダ割の薄めダブル」にムムっと思ったことがある。濃いんだか薄いんだかって。 4年以上前 replyretweetfavorite

sizukanarudon バーテンダーに「通」と思われる方法 https://t.co/LAVRSBMZOU ここのマティーニは少し甘いんですね レモンピールの香りが爽やかですね このカクテルしか飲まない 4年以上前 replyretweetfavorite

shuko_b 元々好きなのもあるけど、迷ったらジントニックを頼むことにしている。∥ 4年以上前 replyretweetfavorite