人に"納得解"を共有してもらうには?

シミュレーション、コミュニケーション、ロジカルシンキング、そしてロールプレイングと、様々な方法で導き出した”納得解”。今回は、それをきちんと共有するために大切な「プレゼンテーション」についてみていきましょう。世の中の様々な問題を学習する「よのなか科」の生みの親である藤原和博さんが執筆された書籍、『たった一度の人生を変える勉強をしよう』(朝日新聞出版)の内容の一部をcakesで公開していきます。

その答えを「納得」してもらうために

いよいよ最後の5時限目です。

ここまで、シミュレーション(1時限目)、コミュニケーション(2時限目)、ロジカルシンキング(3時限目)、そしてロールプレイング(4時限目)について学んできましたね。

これらはすべて、きみだけの〝納得解〞を導き出すためのものでした。ものごとを観察して、仮説を立て、その仮説をあらゆる角度から検証する。……まるで数学の証明問題を解いていくような作業だけれど、それぞれの意味や意義、また具体的な手法についても、しっかり理解してもらえたんじゃないかと思う。

でも、まだ残された最後のステップがあるんです。

自分だけの〝納得解〞を、「みんなにとっての納得解」にすること。自分の結論を、みんなに受け入れてもらうこと。つまり、答えを共有すること。この作業のことを、ここでは「証明」と呼ぼうと思う。

まずは、なぜそんなことをする必要があるのか説明しよう。

たとえば、数学における〝正解〞って、なにがあろうと絶対に〝正解〞なんだ。

数学が導き出した〝正解〞の前には、王様も大統領も、どんなに偉い人でも従わざるをえない。おそろしい独裁者が「違う! 2×2は8だっ!」と叫んでも、国民から笑われるだけだよね。数学の〝正解〞は覆せないし、だからこそ「数学なんて役に立たない」という話は大きな間違いなんだ。数学的に証明した正しさには、絶対的なパワーがあるんだから。

一方、正解のない、よのなかでの〝納得解〞には、それだけのパワーはない。

きみが導き出した〝納得解〞は、どんなに綿密な検証を重ねていようと、それだけでは「個人の意見」にすぎないんだよね。くやしいけど、そこは認めよう。よのなかにはいろんな価値観を持った、いろんな考えの人がいる。ディベートやロールプレイをするとよくわかるけど、菊の花を見て「きれいだ」と思う人もいれば、お仏壇やお墓を連想して「不吉だ、こわい」と思う人だっている。きみたちだって、友達と好きなアイドルの話をしているとき、「あんなヤツのどこがいいの?」と不思議に思ったりすることあるよね? たとえきみが好きじゃなくても、友達にとっては最高に魅力的なアイドルなんだ。

じゃあ、きみが導き出した〝納得解〞を周りの人にもわかってもらうには、どうしたらいいのか。

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たった一度の人生を変える勉強をしよう

藤原和博

暗記中心の「勉強」は、もはや役に立たない。では、かわりに何を学べばいいのか? 世の中の様々な問題を学習する「よのなか科」の生みの親である藤原和博さんが、中高生とその親のために書き下ろした新刊、『たった一度の人生を変える勉強をしよう』(...もっと読む

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restart20141201 仕事に正解は無い、に納得。 言う人によって違うんだ、いつも(困)。 約5年前 replyretweetfavorite