第2回】「ミスをしない」ではなく「〝ミス〟にしない」

東大に入学してゴルフをはじめ、1年で83、卒業時に72までスコアをのばした元東大ゴルフ部主将の谷垣圭太さん。運動神経がいいわけでも、部の練習が多いわけでもない中で、短期間で上達できたのは人と少し違った思考法でゴルフに取り組んだからだといいます。その谷垣さんが2015年1月に刊行した『東大式ゴルフ術』より一部編集して、そのエッセンスを全4回にてお届けいたします。

ゴルフは結果を求めるスポーツ

 私がゴルフ部に入部した当初、部活の先輩が特に強調していたのが、「ゴルフほど結果が重要視されるスポーツはない」ということでした。

 もちろん、どんなスポーツでも結果は重要だと思いますし、特にトッププレーヤーの世界では常に結果が求められるものです。それでも私は、この言葉はゴルフというスポーツの性質を端的にとらえていると思いました。  「上がってナンボ」という言葉もあるように、ゴルフはスコアを競うスポーツであり、どんな綺麗なスイングをしても、あるいはどんなナイスショットをしても、それは直接的にはスコアカードに反映されません。

 「きれいなスイングでいい球を打ちたい」という願望は誰にでもあるかと思いますが、ゴルフにおいては結局のところ、いい数字で回った人が勝者です。したがって、きれいなスイングも遠くまで飛ぶドライバーショットも、すべては「いいスコアで回る」ための道具にすぎないと考え、それらの道具のうち、スコアに直結する要素を優先的に伸ばしていく練習を選択することにしました。

 目標を具体化する

 それでは、いい「スコアで回る」ためには具体的にどのような道具が必要でしょうか。それを考えるにあたっては、そもそも自分にとっての「いいスコア」を明確にしておく必要があります。
 私はゴルフを始めた当初、90というスコアを目標に設定しました。
 ゴルフの1ラウンドは、基本的に1ラウンド(18ホール)=パー72に設定されています。スコア90のゴルフというのは、要するに全ホールを1ボギーで回ればいいわけで、イメージしやすかったというのが理由です。

 では、90で回るためには何が必要か? その条件として次の三つを設定しました。

(1)標準的なミドルホールであれば2打でグリーンに届く距離を身につける
(2)50ヤード以内であれば1打でグリーンに乗せる
(3)グリーンに乗せてからは2パット以内で入れる

 この三つが実現できれば、90で回ることは可能であると考えたのです。  また他のスコア目標を立てる際にも、このモデルに少し修正を加えることで、イメージを明確にすることができると思っています。例えば、100切りを目標にするのであれば、さらに2ホールに一度ミスをしてもいい、といった具合です。

 第1回でも紹介しましたが、このようにまず目標を設定し、「そのためにはどうしたらいいか?」を考え実践していく(逆算していく)方法は、私自身が勉強や仕事のなかで最も重視してきた考え方です。
『東大式ゴルフ術』においては、先述した「90で回るための三つの条件」に則って、技術面に関しては(1)ショット、(2)アプローチ、(3)パットについて記載していますが、まず(3)のパットについての考え方を整理し、ショットに関しても(2)のアプローチの記述から説明をはじめています。というのは、特に初級~中級者の場合、スコアアップに直結するのは間違いなくパターであり、ショートゲームだからです。

 例えばスコア120ぐらいでラウンドしている人は、グリーン付近まで残り50ヤード以内の地点まで持っていくショットが50打ぐらい、そこから先で70打ぐらい打っているケースが多いのではないでしょうか。 その人がグリーン周りから先を50打でまとめられれば、それでもう100です。アマチュアの場合、グリーン付近までのショット数50を減らすよりも、その後の70を減らすことのほうがはるかに簡単なのです。

「ミスをしない」ではなく「〝ミス〟にしない」

 「俺たちはナイスショットを求めているんじゃない。ナイスミスを求めているんだ」  これは、入部した当初、なかなかナイスショットが出ないと嘆く私に、ある先輩が話してくれた言葉です。
 例えば残り150ヤードくらいの状況で、完璧な球筋をイメージしてショットに臨んだのにトップ球を打って悲嘆に暮れていたら、思いのほか球が転がって結果的にグリーンにナイスオンした経験はないでしょうか? ゴルフはあくまで「上がってナンボ」のスポーツなので、思ったようなショットが打てなくても、結果がよければそれでいいのです。

 ゴルフは「各ホールを何打で上がったか」という数字を集計していくスポーツです。そのため、同じホールの中では、大ダフリやチョロのような、まるまる1打の損になるショットはどうにもなりませんがミスですが、ある程度前に飛んでくれるショットは「(1打分の)〝ミス〟にしないことが可能です。  仮にドライバーを曲げてしまっても、第2打でグリーンに乗れば問題ありません。そいうすればドライバーショットは〝ミス〟にはならないのです。あるいは、仮に2打目でグリーンに乗せられなかったとしても、アプローチでカップに寄せてパーを取れれば、そのホールのショットはすべて〝ミス〟ではなかったということになります。

 ゴルフは誰でも必ずミスをします。
 だからこそ、目指すべきは「ミスをしないゴルフ」ではなく、「〝ミス〟にしないゴルフ」なのです。

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東大式ゴルフ術

谷垣圭太

スコアアップは考え方一つでできる! 大学からゴルフを始め、1年で83、卒業までに72までスコアを上げた東大ゴルフ部の元主将が実践してきた、頭で勝つゴルフの思考法・上達法を伝授! 読むだけで10打縮まる!

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