はじめまして、東京大学運動会ゴルフ部の元主将・谷垣圭太と申します。執筆現在、私は一介の会計士にすぎません。東大出身者にも一般の会社員にも、自分よりうまいアマチュアゴルファーは当然のように大勢います。そのなかで今回、このような本を書かせていただいたのは、運動神経が決してよいわけでない中で、東大に入学してからゴルフを始めて、1年間でスコア83、卒業時にスコア72と、短期間に一定のレベルに達することができた経験と、そのなかで培ってきた多くのゴルファーとは少し違った思考法、それに基づいたラウンド術と練習法をご紹介できるからだと思っています。
受験勉強時に培った思考法が生きた
本書のタイトルは、編集者の方と話し合いの中で生まれました。自身が東大ゴルフ部で培ってきたノウハウを紹介するものであることと同時に、東大に入学する上で、自分が受験勉強で実践してきた考え方がゴルフに生きているということで、編集者の方に名づけていただいたものです。
そのノウハウの一つが、「目的から逆算して考える思考法」です。
高校時代、私はお世話にも模範的とは言えない学生でした。夏休みの宿題は当然のように最終日から始めていましたし、教科書を読むよりも、小説やマンガを読んでいる時間のほうがよっぽど長かったと思います。それでも現役で希望する大学も合格することができたのは、合格水準に達するあめに必要な能力を把握し、少しでも効率よくその能力を身につける勉強法を自分のものにしていたからだと思います。ゴルフを始めてからも同じように、私はいかに効率よく練習し、スコアを上げていくかを考えていました。
そもそも、私が大学に入ったときに考えていたのは、
①何かのスポーツを徹底的にやりたいということ
②どうせ何かをやるのであれば、試合に出て活躍したいということでした。
そうした目的を果たすため、体育会系の部活があって、経験者があまり多くなく、元々の運動神経にさほど関係がなさそうな競技を考えた結果、選択したのがゴルフ部でした。
こういった思考法は、のちに紹介するスコア戦略から練習法にまで一貫しています。
スコアアップは考え方次第!
東大ゴルフ部は、私が入部した当初、新入部員13人中いわゆる「経験者」は1人だけ。練習も基本的には週2回2時間のショット練習と、週1回の筋力トレーニングのみ。もちろん、合宿や個人での練習、あとはキャディのアルバイトなどを行っている部員も多いのですが、他大学のゴルフ部と比べても練習時間が特段に多いわけではありません。そのほとんどが勉強と両立しながら、1年後にはスコア100を切るぐらいになります。いくら筋力トレーニングをしたからといっても、東大生が人並み以上に飛ばす力を持っているわけでも、人並み以上の運動神経があるわけでもありません。初心者でも、やり方次第でそれぐらいのスコアは出せるようになるのです。
冒頭で「少し違った思考法とラウンド術、練習法」と書きましたが、難しいことは特にありません。誰もが「なるほど!」と理解し、実践することができるものだと思っています。本格的なスイング理論や技術論は数多のレッスン書に譲り、本連載では主にゴルフを始めてから私がスコアアップという目標に向かってどんな戦略を立て、その上でどういう練習をしてきたかについて、その一部をご紹介したいと思います。
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