『世界の終わりのいずこねこ』(2014/日/88分/新宿K's cinemaほか全国順次上映)監督:竹内道宏
——『世界の終わりのいずこねこ』を観させていただきました。正直、思っていたよりずいぶん楽しめました。ミイケ先生の演技以外は。私自身、アイドルにはまったく興味がない人間なので事情がよくわからないのですが、まず西島さんがなぜこのプロジェクトに関わることになったのか、からお話しいただけますか?
西島 映画プロデューサーからの「この娘で映画を撮りたい」というご依頼です。脚本家経験もない僕になぜとも思いますが、現在広島に暮らし、IKKI休刊でマンガ連載もなく、暇にまかせ地元の映画館「横川シネマ」を趣味的に手伝っている僕の敷居が低いと判断したのかもしれません。
アイドル「いずこねこ」について僕もほとんど知らないまま、企画はスタートしました。アイドルに関する仕事は、2011年にでんぱ組.incを輩出した秋葉原ディアステージのシャッターに描いたグラフィティ以来です。アイドルはみんな健全で病みもなく可愛いから、大好きです(棒読み)
——見終わったあとで脚本を読むと、確かに無駄なほど過剰にSF要素がちりばめられていることがわかります。いずこねこがあらゆる時空に存在できたり、『木星通信社』のネットワークはエイリアンによって作られたとか、あまり必要な設定とは思えない。
西島 プロットは西島が制作しましたが、脚本は監督の竹内道宏さんと共同作業で進めました。SF的な正しさを「腐ってもSF作家」(デビュー作『凹村戦争』は塩澤編集長のJコレクションからリリース)である僕は求めましたが、映画にとってそれが正しいとは限らない。