第1回】10%を超えるアップは48社! 5年後の平均年収ランキング

大減収時代に突入した中、気になるのは現在よりも未来の給料である。そこで本誌で5年後の平均年収を独自試算したところ、意外な企業が上位に登場した。

 658万円の年収が5年後には753万円に──。

 人気サイト「価格.com」や「食べログ」などを運営するカカクコム。業績が好調で2011年度の売上高は、前年度に比べて19.5%増の201億円に達している。この4年間で見れば、189%増と高成長を果たしている企業なのだ。

 業績の拡大に伴い、給料も年々増加。07年度に581万円だった平均年収は、11年度658万円へと77万円も増えている。

 しかも、給料アップはしばらく続きそうで、本誌が独自試算したところでは5年後に753万円になることが判明。なんと14.5%アップの状況である。

 「食べログ」はレストランの口コミ評価が命。それを一つ一つ確認し、虚偽がないか調べている。さらに家電製品などの比較サイト「価格.com」でも、値段表示のタイミングが実際のショップサイトとズレないように手間をかけている。当然、コンテンツを考えるのも仕事である。

 こうした作業は、人でなければできないもの。それだけに同社にとって社員は大事な「資産」。だからこそ、年収アップを保証し今後も引き続き給料を上げていこうとしているのである。

 実際、カカクコムの田中実社長は「社員に少しでも長く働いてもらえる環境をつくりたい」と述べ、人に重点投資するスタイルだ(「田中実(カカクコム社長)インタビュー」を参照)。

 多くの企業が15年もの長い減収時代から抜け出せずにいる。くしくもカカクコムは創業15周年。その間、給料は上がり続けている。このように将来にわたって年収が伸びていく「光る」企業は少なからず存在する。

浮かび上がる意外な顔ぶれ
オートバックスは17%増に

 会社員の懐は相変わらず、お寒い状況だ。国税庁の「民間給与実態統計調査」によれば、会社員の平均給与は、1997年の467万円をピークに減収傾向が続いており、10年には412万円となった。前年に比べて若干反発したもののピークより12%ダウン。89年の水準でしかなく、平成の初めに逆戻りした形だ。

 現在の景況感からいって、しばらくの間、給料が上昇することは望めないだろう。下がり続けるか、よくて横ばいといったところである。それほど厳しいのだ。

 とはいえ友人や取引先の親しい間柄でも給料は“タブー”に近く、実態はわからない。そこで本誌恒例の上場企業の平均年収を掲載した。12年3月期決算を最速で反映したもので、「Part 4  最新!平均年収ランキング」第1回をご確認いただきたい。

 だが、本当に気になるのは過去でなく将来の給料だろう。こうした要望にお応えするため本誌では、今回初めて5年後の年収を企業ごとに算出した。

 計算方法の詳細は後述の「表の見方」に譲るが、考え方は次の通りである。

 まず、リーマンショックを大きな節目と捉えて、参考にする時期を07年度と11年度にした。この4年間の荒波を乗り越えた企業は今後も発展する可能性が高い。

 またこの期間から、毎年の年収の増減基調が5年後まで続くと仮定した。これに業種を98まで細分化し、成長性を加味している。こうして5年後の年収を算出、上昇率トップ300社を表1‐12に一挙公開。10%アップの企業は48社に上っている。

 実は、11年度の年収と5年後の年収とを金額ベースで比較するとそれほど顔ぶれは変わらない(表1‐1参照)。だが、表1‐2に示すように年収上昇率では意外な企業が顔を見せる。

 例えば、車用品販売のオートバックスセブン。国内需要は飽和気味かと思いきや、店舗のオペレーションを改善し、タイヤやオイルなどの販売数を増やした。勢いはまだ続き、5年後は16.9%増の837万円になりそうだ。

 ただ、この4年間に持ち株会社化や組織改編、計算方法の変更などがあって社員数が極端に少なくなり平均年収が急激に上がって上位になる傾向があることも付け加えておく。

 このように、年収の増える企業はまだまだある。次回からは業界別に詳しく見ていこう。

週刊ダイヤモンド

この連載について

給料と仕事 将来比較【Part 1】年収が上がる業界・企業

週刊ダイヤモンド

就職先や転職先を選ぶとき、あなたは何を基準にするだろうか。仕事に対する向き不向き? 社会的なステータス? もちろん働きがいもあるだろうが、最大の関心事は「仕事」と「給料」の将来ではないだろうか。とはいえ簡単にはわからない。そこでこの連...もっと読む

関連記事

関連キーワード