ロジカルシンキング」とは情報を鵜呑みにしないことだ

「疑う」という行為にネガティブな印象がつくのは、しょうがないことです。しかし、よのなかにあふれる情報を疑いもせずに「鵜呑み」にするのはどうなのでしょうか? 情報を鵜呑みしない「ロジカルシンキング能力」について考えましょう。世の中の様々な問題を学習する「よのなか科」の生みの親である藤原和博さんが執筆された書籍、『たった一度の人生を変える勉強をしよう』(朝日新聞出版)の内容の一部をcakesで公開していきます。

正解なき時代の「疑う力」

みなさんは「疑う」という言葉について、どんなイメージを持っていますか?

「あの人は疑り深いからね」

そう聞いて、どんな人を思い浮かべますか?

きっと、あんまりいい印象は持たないんじゃないかな。疑り深いって、特に対人関係では「相手のいうことをなかなか信じない」ってことだからね。ネガティブな印象になっちゃうのは、しょうがないと思う。

でも、「信じること」と「鵜呑みにすること」は、まったくの別物なんだ。

あなたのことを信じます、日本の未来を信じてる、運命の出会いを信じる。こんなふうに並べていくとわかるけど、「信じる」ってひとつの「決断」なんだよね。いろんな可能性を検討した結果、信じる。ほかの人はどう思うかわからないけど、自分はそれを正しいと思うから、信じる。だまされたり否定されたりするかもしれないけど、信じる。決して受け身じゃない、能動的な決断なんだ。

一方、「鵜呑みにすること」は決断じゃない。

相手が言ったことや、テレビや新聞が伝えていることを、そのまま受け入れる。自分の頭で吟味することなく、目や耳から入った情報をノーチェックで正解と見なす。

完全に受け身で、なにも頭を使ってない。それが鵜呑みにする、ということ。

もし、きみが「信じること」と「鵜呑みにすること」をごっちゃにしているようなら、それは今日から完全に切り離して考えてほしい。

誰かを信じたり、なにかを信じたりするのは、立派な態度だと思う。友達のこと、家族のこと、自分の将来、日本の未来、いろんなものを信じてほしい。けど、なんでも鵜呑みにするのはとても危険なことなんだ。

ここまでくり返し説明してきた、クリティカル・シンキングという言葉。直訳すると〝批判的な思考〞になるって話はしたよね。これは「なんでも疑ってかかれ」という意味じゃなくって、「何事も鵜呑みにするな」という意味なんだ。

よのなかにあふれる情報を鵜呑みにすることなく、いったん自分の頭で考える。

あるいは、自分の出した「答え」がほんとうに正しいものなのか、もう一度客観的に、そして論理的に考えてみる。

こうした確認作業のことを、「検証」といいます。

自分だけの〝納得解〞を導き出すステップも、「観察」から「仮説」まで進み、その仮説を「検証」する段階にきました。

この3時限目では「検証」をテーマに、その具体的な方法である、ロジカルシンキングについて学んでいきましょう。

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たった一度の人生を変える勉強をしよう

藤原和博

暗記中心の「勉強」は、もはや役に立たない。では、かわりに何を学べばいいのか? 世の中の様々な問題を学習する「よのなか科」の生みの親である藤原和博さんが、中高生とその親のために書き下ろした新刊、『たった一度の人生を変える勉強をしよう』(...もっと読む

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