こんにちは、外科医の雨月メッツェンバウム次郎です。
※今回は少しリアルな手術中の写真があるので、苦手な方はお気をつけ下さい。
今年ももう2ヶ月が終わりました。厳冬は過ぎ、梅の香りが啓蟄の近づきを教えてくれます。和食屋さんでは「ふき」や「竹の子」をいただきました。
2015年という年の1/6が終わった、16.7%が終わったと思うと時間の経つのは速いな、と思います。この2ヶ月で私は40件ほど手術をしました。一件一件は必死ですが、もうこんなに手術をしたのか、と驚きます。
さて今回は、そんな手術のお話を。皆さんは、もしも医者が病気になったとき、どうするか知っていますか? 重い症状の場合は、他の医者に診てもらうことになるのですが、他の医者がいない場合は……。
「自分で自分の体を手術してしまったとんでもないお医者さん」のお話を致しましょう。
「医者の不養生」とはよく言ったもので、お医者さんって実は不健康な人が多いんですよ。一般の人よりも、病気を持っていたり早死にする人は多い印象があります。
しかも特に自分の健康を棚に上げる医者はとっても多く、患者さんに禁煙を強く勧めるヘビースモーカー医もいるし、「アンタ痩せなきゃ死んじゃうよ!」という100kg超えのデブ医もいます。
でも、「医者は自分で診断も出来るし、自分に薬を処方すればいいから手遅れにもならないし、ラクなんじゃない?」とお思いの方も多くいらっしゃいます。
まあ確かにちょっと胃が痛かったり、めまいだったり、お腹を壊したくらいでは医者にはかかりません。やっぱり自分の症状や経過から、大体の診断はつくからです。
でも、手術が必要になるような病気や、自分の専門外の疾患になると、もう完全にお手上げです。もう全て主治医におまかせ、「まな板の上の鯉」です。医者って、自分の専門のことしかわからないんですね。
では、他の医者がいない、特殊な状況下で病気にかかったらどうでしょう?
しかも、手術が必要な病状だとしたら………。
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