ベッキーの元気を直視できないボクらが悪い

今回の武田砂鉄さんのコラムは、タレントのベッキーを取り上げます。とにかく元気なキャラクターで、バラエティ番組に欠かせない存在の彼女ですが、最近はその活躍にも陰りが見えている様子。最近はその元気の裏側にある本音も漏らし始めた彼女の生き方とは?

「女子力」じゃなくて「生活力」でしょ

知人女性がチキン南蛮をつまみながら、朝のワイドショーを思い出し、キレ始めた。「辻仁成のお弁当が女子力高い~、ってスタジオ全員で騒いでたんだけど、そんなの、女子力じゃなくって生活力でしょ」。膝を打つ私。確かに生活力だ。弁当作りが上手いのは、女子の力ではなくて生活する力だ。カテゴリを粗造してビジネスに落とし込んでいく人たちが、例えば「女子力男子」といった言葉を生み出して、男がただただ生活を向上させていく力すら「女子力」として収拾させてしまう。根本的なところ(例:同性パートナーシップを結婚に相当するとした渋谷区の条例を「伝統的な家族が壊れる」と懸念する保守派の国会議員)はちっとも変わらないのに、キーワードとしての「女子力」ばかりがあちこちで稼動しすぎていて、生活していく上での男女差はむしろキープされている悪循環を感じる。

スタジオが、男性、女性、元気の3種に分かれる

何かと「女子力」を消費活動に持ち込もうとする、広告を代理する店たちに対抗する方法があるとしたら、頼るべきは「男子力」ではなくて、「元気印」なのではないかと思う。例えば、関根麻里とベッキー。「2人のことを表情込みで思い浮かべてください」と100人に問えば、100人とも一致する。笑顔だ。この2人のいずれかがスタジオにいる場合、スタジオが便宜上、男性、女性、元気の3種に分かれる。常時ハツラツとしている「元気」。有吉弘行はベッキーを「元気の押し売り」と名付けたが、押し売りではなくて安定供給だ。代替エネルギーを常に模索されてしまう芸能界において、この安定供給は重宝される。しかし、関根麻里は結婚を機に朝のワイドショー『ZIP!』を降板し、ベッキーの「元気の安定供給」も少しばかり薄らいできた気がする。この事実と、画面に溢れる「女子力」の乱発は関連性を持つのかどうか。

「タレント・ベッキーに興味はあっても、私の歌には興味がないんだな」
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ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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コメント

htsk_tts 武田砂鉄さんもクソ記事を書くので少しファンになっている 約4年前 replyretweetfavorite

gentoshap 光浦靖子さんの『お前より私のほうが繊細だぞ!』が後半登場。ありがとうございます。 約4年前 replyretweetfavorite

nijuusannmiri 「アドラーが「嫌われる勇気」なら、 約4年前 replyretweetfavorite