未来景イノセンス

第6回 ゴンドラ

「……同じ高校に行くって、そんなに重要かな?」「当たり前じゃないか」
ぼくは高校なんか行きたくなくて、中学を卒業したくなくて、4月以降もみんなと一緒に変わらないでいたいだけなんだ。たったそれだけのことなのに、どうして許されないのだろう。――。大ヒットボカロナンバー『未来景イノセンス』の発売を記念して、一部を公開します。



「……同じ高校に行くって、そんなに重要かな?」
 タローは言った。「そんなに大事なことかな?」
「当たり前じゃないか」
 ぼくはむっとして答えた。
「でも学校別々でもお互いに時間取ってさ、帰りとか休みに会ったりとか電話で話したりするくらいできるだろ?」「わかってない。わかってないよ君は。人間は一緒にいる時間が長いほど相手に対してシンパシーを感じるんだ。一緒に過ごす時間が少なくなればその分だけ疎遠になっていくし、高校行けば環境も変わって新しい友達もできるしさ。ミドリには男がいっぱい言い寄ってきてさ、それも満更じゃなくなってきてさ、ぼくのことなんていつのまにか忘れちゃってさ……」

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未来景イノセンス

koyori(電ポルP) /石沢克宜

人々が空に住むようになった未来の世界。空中都市ホクトに住む中学生のシマは、幼い頃­から好意を持っているミドリと同じ高校を受験するも失敗してしまう。好きな人や親友た­ちと離れ離れになる現実から目をそらすシマだが、時間は無情にも過ぎ去って...もっと読む

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