いい企画の「入口」と「出口」とは?
加藤 今回の加藤貞顕ゼミ、ゲストはフリーランスライターの古賀史健さんです。
古賀 みなさんはじめまして、ライターの古賀と申します。えーっと、どこからはじめましょうか。この講座のタイトルは、たしか「トップ編集者の仕事術を学ぶ」でしたよね。そこになぜライターである僕がゲストとしてのこのこと顔を出しているのか、疑問に感じている方も多いと思うんです。
加藤 のこのこと(笑)。
古賀 なので最初に、簡単な自己紹介させてください。僕は普段、主にビジネス書や実用書の分野で、書籍のライティング(聞き書きスタイルの執筆)を中心にお仕事させていただいています。平均で年間10冊、いちばん多いときには18冊くらい書いていたのかな?
このとき、いわゆるライターとして原稿を書くだけじゃなくって、かなり編集サイドにも踏み込むんですよね。デザイナーさんとのやりとり含めた、編集業務全般を丸投げされることもありますし。ですから今日は、ライター目線の話と編集者目線の話を、適度なバランスでお話しできればと思っています。
加藤 こういうかたちで古賀さんの話を聞けるのは、すごく楽しみだったんです。よろしくお願いします!
古賀 こちらこそ、よろしくお願いします。
加藤 先ほどのお話にもあったように、古賀さんはライターでありながら編集者の目線をお持ちですよね。だから古賀さんにお仕事を依頼するときは、いつもドキドキするんですよ。
古賀 えっ、どうして?
加藤 自分のつくった企画を、ライター目線だけでなく、編集者目線で評価されるわけですから。古賀さんは売れっ子だから、名だたる出版社から引く手あまたなわけですよね? つまり、企画を納得してもらえないと、依頼を受けてもらうのはむずかしい。そこで、古賀さんが企画の良し悪しを判断する基準を聞いてみたいんです。
古賀 そうだなあ……僕が考える「いい企画」の条件は、入口と出口がしっかりしていること、ですね。
加藤 入口と出口?
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