習慣の力で知的生産力を高める

日々の仕事の生産力を上げる「型」の存在とはどのようなものなのでしょうか? 東大医学部という日本最難関の大学に在籍しながら、「ゴースト暗算」という画期的な暗算法を開発した、異色の教育家・岩波邦明さんが知的生産力を高める習慣の力について迫ります。

自分を変えるための「言霊」

 思考は言葉で組み立てられています。そうであれば、表現を変えることだけでも考え方も変えることは可能です。

「人生は残り五〇年ある→人生は残り五〇年しかない」

「今日はまだ一二時間ある→今日はもう一二時間しかない」

「今日は三時間も集中できた→今日は三時間しか集中していない」

 わずかに語尾を変えているだけです。

 同じ材料でもレシピが違えば、まったく別の料理になるのにも似ています。この言い換えは〝やる気を出すためのレシピ〟といえます。

 私の場合、日常の中で変換できるものすべてを「……しかない」に言い換えて、「渇く」のときと同じように、それを五回ずつ紙に書いていきました。

 そうすると、「……しかない」という言葉が次第に自分の血肉になっていったのです。それで自然に「……しかない。急がなければ! もっとやらなければ」という考え方をするようになっていき、以前より作業に集中しやすい体質になれたのです。

 慣れてきてからは紙には書かず、自分の頭の中だけで言い換えるだけでもこうした意識を刷り込めるようになりました。いまでも私は、この方法によって自分に危機感を注入するようにしています。

 この方法を取り入れる場合には、自分に暗示をかけるぐらいのつもりで続けていけば、より効果は大きくなるはずです。自分の頭の中で言葉を刷り込むようにしていけば、やる気スイッチはすぐにオンになるのです。

 言葉のもつ力を「言霊」といいます。

 自分を鼓舞して努力をうながす言霊を活用することにより、昨日の自分に勝てる今日の自分、明日の自分をつくっていけます。

 それによって知的生産力をどんどん高めていけるのです。

「名刺」を利用した意識コントロール術

 言葉だけでなく、身の回りのものを活用してモチベーションを高める方法もあります。

 たとえば、いま自分が関わっている人の「名刺」を常に机に並べておいて作業をするやり方もそのひとつです。

 仕事をしている際には、ただなんとなくやっているよりも、相手や関係者の顔が見えているほうが継続しやすくなります。

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ゴースト暗算」を生んだ、東大医学部式・知的生産法

岩波邦明

シリーズで累計65万部を超えるベストセラーとなった「岩波メソッドゴースト暗算」という2ケタ×2ケタの独自の暗算方式を考案した、東大医学部出身の教育家・岩波邦明さん。岩波さんが実践する、短期間で最大限の成果を出すためのメソッドを公開。仕...もっと読む

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rainaitou 「型のある人間が型を破ることを〝型破り〟といい、型のない人間が型を破ることを〝型無し〟という」 3年以上前 replyretweetfavorite