「頑張った記憶」をベースにする
どんな場面でもその日の調子に左右されず、高い生産力をキープするための方法もあります。それは、「自分がいちばん頑張っていたとき」にタイムスリップして、そのときの自分の状態を常にセットしておくようにすることです。
どんな人でも、人生のどこかで一度か二度は、必死に頑張った記憶があるはずです。
仕事や勉強に限らず、たとえば「スポーツに夢中で取り組んだ」「ゲームをクリアすることに取り組んだ」といったことでもいいわけです。
この「いちばん頑張っていたとき」は、趣味や遊びも含めたなかから、自分が一番夢中で何かをやっていたときを選びましょう。
そういうときを常に思い出し、何事を行なうときもそれをベースに取り組みます。
その意識を持つようにしていれば、自分のMAXパフォーマンスの状態でさまざまな物事に取り組むことができるようになります。
自分の原体験を大切にして、それをベースにして仕事をしていくことで成功した人も、もちろんいます。『スーパーマリオ』『ゼルダの伝説』『ピクミン』といった大ヒットゲームの生みの親で、米TIME誌の「世界に最も影響を与えた一〇〇人」にも選ばれている世界的ゲームクリエイターの宮本茂さんもその一人といえます。
宮本さんは二〇〇六年に受けているあるインタビューで「いままでいちばん嬉しかったことは何ですか?」と聞かれて、「うーん、なんだろう……。やっぱり大学受かったときかなあ」と答えていました。その九年前に行なわれていたインタビューでも同じ答えをしていたため、宮本さん自身、「じゃあ大学合格以降、うれしいことなかったんや」と笑って続けているほどです。
宮本さんは、フランス政府から芸術文化勲章「シュバリエ章」を受章したり、スペインで最も権威ある賞とされる「スペイン皇太子賞」を受賞したりしていますが、それよりも大学合格のほうが嬉しかったのかもしれません。だとすればやはり、その合格を勝ち取るためにそうとう頑張ったからではないかと想像されます。
「原体験」が持つ力
宮本さんの言葉からは、「原体験」が重要な意味を持っていることが察せられます。
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