「心の場所」の設定
私たちの生産力は、目に映るもの、耳から聴こえてくるものなど、絶えず周囲の状況から影響を受けています。
たとえば勉強しているとき、すぐ傍でものすごい音がする工事が始まれば集中力は落ちます。勉強している横で友達が自分の好きなテレビゲームをやっていたとしたら、やはり集中は乱されます。
そうしたことに振り回されないようにしようと頑張っても、五感を通して入ってくる情報から完全に逃れることはできません。それでも、五感から受ける集中への悪影響を、工夫によって〝減らす〟ことは可能です。
環境による悪影響を逃れるには、五感から受ける情報をうまくシャットアウトする力が必要です。そのために有効な方法のひとつが「心の場所」を意識することです。
いま、実際に自分がいる場所を「物理的な場所」とします。
それに対して「心の場所」とは、それとは関係のない〝自分が最も集中できる場所〟のことです。
自分の部屋の机がそうだという人もいれば、行きつけのカフェがそうだという人もいることでしょう。実際に作業や勉強をしたことがある場所のなかから「集中できた」という感覚を持てたところを選びます。
そして、実際に自分がいる物理的な場所は問わず、いつもその心の場所にいることをイメージするようにします。
このとき、その心の場所の風景をありありと思い浮かべて、実際の視界と重ね合わせて、上から塗り替えるようにイメージすると、より効果的です。
本来の心の場所で聴こえてくる音があるとすれば(BGMに限らず、ざわざわした話し声や空調の音などもそうです)、その音を頭の中で再生するようにできれば、さらに効果が増します。
いま自分がいる場所の環境に左右されないために、自分の視界と音の環境を、お気に入りの環境に上書きしてしまうのが目的です。
うまくそれができるようになると、五感をシャットアウトしているのに近い状態になれます。歩きながらでもそうなれるので、注意しなければ危険なくらいです。
環境そのものはコントロールできなくても、それを受け取る自分の五感情報は、ある程度コントロールできるのです。
環境に左右されない、安定した集中力
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