フランスのテレビにきゃりーぱみゅぱみゅ!?
私は日本にいた時、政治には全く興味がありませんでした。だって、複雑すぎてよく分からないし、自分には関係なさそうだし、なんだかオヤジくさくて格好悪いイメージだったからです。
ところがフランスに来てから、だんだん興味を持つようになりました。その理由の一つが、フランスのあるテレビ番組です。
それはフランスでは夕飯時に放送され、インターネットでも無料視聴ができる「Le Petit Journal」というニュース番組。政治や社会問題にスポットをあて、クールに、面白おかしく取り上げてくれます。
例えば、日本でいうところの国会中継で、「居眠りしている政治家」「iPadで自分の愛犬の画像ばかり見ている政治家」の様子を映し出したり、フランス大統領が日本外交で訪れた挨拶で、「日本」というべきところを「中国」と言い間違えた大恥な場面を紹介したりと、政治家たちを笑い者にして紹介することも。とはいえ愛嬌を込めての笑いなので、攻撃的な感じではないんですよ。
時には政治家本人をスタジオに迎えて、ユーモアも含んだ質問もしつつ、核心に迫った質問で彼らを追い込むことだってあります。
政治家だけでなく、あの「きゃりーぱみゅぱみゅ」を迎えて、日本のアイドル文化について質問する回もありました。名前が言い難かったらしく、噛みまくってましたが(笑)。
この番組のおかげで私は、フランスの政治家たちの人間らしい面を見て身近に感じられるようになり、大臣らの名前と顔も自然に覚え、だんだんと政治に興味を持つようになったのです。
フランス人が注目する日本人のテロへの反応
先日、この番組をいつも通り晩ご飯を食べながら見ていたら、なんだか懐かしい音が耳に入ってきました。
この日の放送は「日本の特集!」ということで、冒頭から日本のアイドルグループの音楽を流していたのです。
『日本と言えばアイドル』という、日本の特殊なポップ・カルチャー事情は、フランスでもとっくにバレてます(笑)。
しかし、この回でメインに特集していたのは、アイドルではなく、「ISILによる2人の日本人殺害テロ」事件についてでした。
特に番組が注目していたのは、今回の事件で「日本人がどう思っているのか? どう反応したのか?」についてです。