日本の貯蓄率は2014年にマイナスになった!
昨年末、日本の家計貯蓄率がマイナスになったと発表されたのをご存知だろうか? この家計貯蓄率とは「所得のうちどれだけを貯蓄に回したか」を表したもののことを言っている。10年前には10%以上もあったのに、-1.3%まで急降下している。
先日、この貯蓄率がマイナスとなったことについて、海外の新聞社の方から質問を受けた。日本人は世界から見ても「貯める国民」という印象だそうだ。それで「『貯蓄好きの日本人、消費好きのアメリカ人』であったはずなのに、アメリカ人のほうが毎月きちんと貯蓄頑張っている。なぜ日本人の貯蓄率はマイナスにまでなってしまったのか? ほしいものを買うのにお金を貯めようと思わないの?」と疑問なのだという。貯蓄率がマイナスであることは、彼からしたら滑稽にすら見えるそう。ぜひアメリカで伝えたい、とテンションを上げて話していた。なんだかバカにされているように感じ、悔しく感じた反面、共感し、納得するような気持ちも出てきていた。
貯蓄率がマイナスになったのには、もちろん少子高齢化がすすんだことが影響している。働いて収入を得ることがなくなった高齢者は、これまでの貯蓄を取り崩して生活費に充てている。そういう生活をする人が増えているから、家計から貯蓄するよりも、貯蓄を取り崩す割合が増えてしまい、家計貯蓄率が減ってしまうのだ。 また、社会保障の在り方や企業の賃金問題、政治的なものなどいろいろなものが影響していることも、皆さん周知のことだろう。
だからやむをえないところもあるが、しかし、私自身、日本人の貯蓄力は落ちていると、日々の面談で感じる。個別にみるとそれぞれに努力しているのだが、要領が悪いとうか、優柔不断さが目立つ気がする。はっきり言うと、お金を貯めるための目標を持つことができていないのだ。
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