第1回 啓示の夜、こうして2つの勢力が生まれた

元SE・コンシューマーゲームプランナーの作家・土屋つかさ氏が、日本でほとんど紹介されていないイングレスの壮大なバックストーリーについて解説する連載。前週の第0回を経て、いよいよ本格スタートです。今回は、プレイヤーがゲームを始めたときにどちらの側につくかを選択することになる2大勢力、エンライテンド(緑)とレジスタンス(青)の、そもそもの対立が生まれる発端となった「啓示の夜」という事件の真相に迫ります。

■ナイアンティック計画

 2012年初頭、国家情報局「NIA(National Intelligence Agency)」は、未知の物質「エキゾチック・マター(eXotic Matter:通称XM)」が人類に与える影響を調査するための実験を、ジュネーブのCERN研究所内の施設で秘密裏に開始しました。この一連の実験は「ナイアンティック計画(Niantic Project)」と呼称されています。

【注釈1】イングレスを開発・運営しているのはグーグルの社内ベンチャー「Niantic Labs.」です。混乱しがちですが、バックストーリー中で「NIA」と書いてある場合は、上記の国家諜報機関NIA、もしくはナイアンティック計画のことを指します(両者はほぼ同じ物として扱われているようです)。

【注釈2】ちなみに、ゲーム本篇と関連するかは不明ですが、"Niantic"というのはコネチカット州・ロードアイランド州に住んでいた先住民族の名前のようです。1637年頃、外部勢力の侵入により東西二派に分裂し、そのまま合流することはなかったとのこと……。

 XMは世界中の「ポータル(Portal)」と呼ばれる文化的、芸術的、宗教的に重要なランドマークから噴出していて、それを浴びた人間は思考や感覚が鋭くなったり、逆にネガティブな感情が高まったりします。またXMには何者か(現在は「シェイパー[Shaper]」と呼んでいます)が人類と交信するための信号が符号化されていることが分かっています。

 本来、ナイアンティック計画は2012年11月30日に終了する予定でした。しかし—詳しいことは分かっていませんがオリバー・リントン=ウルフ博士が発明した「パワーキューブ」についての最終実験が更に行われることになりました。12月1日、後に「啓示の夜(Epiphany Night)」と呼ばれる日が、やってきたのです。

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SFとしてのイングレス その隠された物語

土屋つかさ

携帯端末の位置情報を使い、現実世界で大規模な「陣取り」を楽しめることで話題を集めるオンラインゲーム「イングレス(Ingress)」。このゲームの背後に壮大なSF設定が隠されていることはご存知でしょうか? 日本ではほとんど紹介されていな...もっと読む

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コメント

l_b__ #ingress の背景になる物語の解説連載。: 4年弱前 replyretweetfavorite

suchi cakes.mu のIngress記事。土屋つかささんの方のバックグラウンドの記事はさすがわかりやすいですよ。すでに始めてる人にもオススメ(無料) https://t.co/iWF7FVaZ5N #ingress 4年弱前 replyretweetfavorite

t_tutiya @wednesday1029 @Amarance 読んでくださいよ!w つhttp://t.co/PkqbpMHZQI 4年弱前 replyretweetfavorite

su_3 思わずインストールしてしまった。  4年弱前 replyretweetfavorite