未来景イノセンス

第1回 進路

〝普通に生きていくための〟英才教育を受けたぼくの選ぶ道やいかに。進路や、両親との関係への葛藤――。大ヒットボカロナンバー『未来景イノセンス』の発売を記念して、一部を公開します。



この〝街〟が、ぼくにとっては全世界だった。
 世界の果てに何があるかなんて興味はなかったし、その向こう側に行きたいと考えたこともない。たかだか半径10キロのこの街で、ささやかな幸せとほんの少しの不幸を道連れに一生を過ごすのだと漠然と思っていた。

     ♯

 ぼくの両親はごく普通の会社勤めで、学歴もごく普通の大学出で、世帯収入も生活レベルも普通、この街で暮らす人々のちょうど真ん中がウチではないかと思うほど平均中の平均を行っていた。そんな両親から〝普通に生きていくための〟英才教育を受けたぼくもまた、普通の人生を送るものと信じて疑わなかった。幼稚園に入り、小学校へ入学して、中学に上がり、高校、大学を経てどこかの会社に就職するという、ごく普通の人生を送るのだと。

 ところがこの普通というやつは、ぼくにとって非常に困難な道になった。

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この連載について

未来景イノセンス

koyori(電ポルP) /石沢克宜

人々が空に住むようになった未来の世界。空中都市ホクトに住む中学生のシマは、幼い頃­から好意を持っているミドリと同じ高校を受験するも失敗してしまう。好きな人や親友た­ちと離れ離れになる現実から目をそらすシマだが、時間は無情にも過ぎ去って...もっと読む

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コメント

koyokoyokoyori 僕原作の小説「未来景イノセンス」がちょこっと試し読み出来るらしいですよ。良ければぜひ。 約5年前 replyretweetfavorite