名クリエイターの大ヒット作は「時間の制約」から生まれた

大ヒット作や、世の中を変えるような革新的なコンテンツは「短時間で作られたものが多い」と話すのは、「ゴースト暗算」画期的な暗算法を開発した、異色の教育家・岩波邦明さん。
常にさまざまな知的生産力を向上させる方法を考え、実践し続けてきた、いわゆる「知的生産マニア」の一面も持つ岩波さんが、「最高のアイデア」を生み出すメソッドを紹介します。

「最高のアイデア」は短時間で生まれる

 好きなことのすべてを遮断してまで、結果を出したり、成功したいとは思わない。

 そんなふうに考える人もいるのでしょうが、なにも一生、好きなことをあきらめなければならないわけではありません。

 私にしても、長く娯楽を絶っていたのは大学受験を終えるまでに過ぎず、特別な時期を除けば、いまもゲームや漫画を楽しんでいます。

 前回ご紹介した川上さんにしても、タイミングが違えば、『Ultima Online』を心ゆくまで遊び込めた可能性もあったはずです。

 世の中にある大ヒット作や、革新的なコンテンツを見回してみたときに気がつく意外な事実があります。

 それは、「短時間で作られたものが多い」ということです。

 一般的に、アイデアというのは時間をかけるほど改善するものというイメージがあります。しかし、本当に大きなインパクトのある作品やアイデアは、非常に短い時間でつくられたものが多いのです。

 漫画の神様といわれる故・手塚治虫さんは、自身の漫画のアイデアの出し方について、ドキュメンタリー番組の中で次のように話していました。

「〆切の前日になると、俄然、インスピレーションが湧いてくる。一時間の通勤中にアイデアを考えるとき、最初の五分から一〇分のうちに思いついたアイデアが、その後あれこれ悩んだアイデアよりも、結果的に良いものであることが多い」

 〆切間近のプレッシャーが強くかかった状態における超短期決戦の中でこそ、多くのすぐれたアイデアが生まれてきていたということです。

 時間をかければいいものができるわけではないとはよくいわれることですが、こうした言葉からも実際にそうだとわかります。

 時間に甘えることなく、五分、一〇分といった短時間の中でアイデアを練り上げてしまう。そんな気概がクリエイティビティ(創造性)には重要になってきます。

「最初の五分」に集中する習慣

 音楽の世界でも似た話があります。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

角川新書

この連載について

初回を読む
ゴースト暗算」を生んだ、東大医学部式・知的生産法

岩波邦明

シリーズで累計65万部を超えるベストセラーとなった「岩波メソッドゴースト暗算」という2ケタ×2ケタの独自の暗算方式を考案した、東大医学部出身の教育家・岩波邦明さん。岩波さんが実践する、短期間で最大限の成果を出すためのメソッドを公開。仕...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

porpor35 連載が日々の学習に役立つネタ満載「〆切を〝一種のパフォーマンス向上装置〟にする」→ 5年弱前 replyretweetfavorite

kuniaki_iwanami cakes連載 第3回 http://t.co/1ErCK0YzrR 今回は、「素晴らしいアイデアほど、短時間で生まれる」というテーマでお話しています。そういえばニコニコ動画にしても、川上会長が「ありえない速さで開発してね」と指令を出し、本当に数日でプロトタイプができたそうです。 約5年前 replyretweetfavorite