はあちゅう【後編】それでもわたしは大きなことを言う。

10年前、大学時代にはじめたブログが大きな話題を呼び、書籍化されて以来、注目を集め続けてきた、はあちゅうさん。“ブロガー・作家”と名乗るように、ブログやSNSで日常を発信しながら、最近では雑誌連載や書籍の執筆も増えています。後半は、はあちゅうさんの意外な一面が垣間見える展開に。さまざまな挑戦を続けている多忙な日々のこと、これからの野望についても伺いました。

担当編集者の太鼓判!

 はあちゅうさんは、生き急いでいるように見えます。この本をつくる過程で何度もそう思いました。でも、人が死ぬまでの短い時間に生き急がないでどうするのですか、と一回り以上も年下の女の子に叱咤激励されるようで。私自身、そこにあるとわかっていたけれど蓋をしていた燃料タンクに、彼女が火をつけてくれたのも事実です。
 はあちゅうさんから、自分はまだまだ成功者ではなく、「叶えた夢」よりも「叶えたい夢」の方が多いからこそ、同じような人に、同じ目線での提案がしたいと言われたとき、この企画は絶対に成立させて、世の中に出したい!と思いました。
「本当に強いことと、強いフリをすることに、どれほどの違いがあるだろう」など、老若男女、ハッと気づかされる珠玉の言葉がいっぱい詰まった作品です。

(講談社・桜井紀美子)

ネイルするより本が読みたい

— はあちゅうさんは、世間の抱いているイメージと異なる部分がけっこうありますよね。本にも書いてありましたけど、たとえば、「飲み会に行くよりも、ちゃんと仕事をするほうがいい」とか。

はあちゅう そうですね。そもそもお酒をあんまり飲まないですし、そういう会に行っても2次会には行かないんですよ。ほとんどの場合、1次会で帰ります。
 あと、時間が惜しいから、普通のひとが週末とかに行っているような、カラオケとかバーベキューとか、半日とか1日かかるような遊びにも行かないです(笑)。

— ブログを見ると、いつもいろんな人と飲んでいる人っていうイメージですけど、違うんですか!

はあちゅう あれは、そういうところだけ出しているからそう見えるんでしょうね。

— 一方では、「本は1日に2、3冊読むこともある」とも書いていましたけど、今でも?

はあちゅう 今も読みますね。

— 1日1冊でもそうとうたいへんですよね。しかも、ものすごく忙しいのに。

はあちゅう そうですね。今日は、朝4時に起きて、テレビの生放送を終えた後、一本、打合わせして。ニコニコ生放送の新政党の結成イベントに出演してから、一本、コラムを書きました。それで、編集者さんとカフェで待ち合わせしてから、今、ココにきました。

— 過密! いつ本を読んでいるんですか?

はあちゅう お風呂とか、スキマ時間で読んでいます。時間については、使い方次第だと思います。私、ネイルもしないし、ピアスも着けるのが面倒だから開けていない。今日はたまたま大切な人にいただいたイヤリングをつけていますけど、普段はしないです。

— 意外!

はあちゅう お洋服もほぼワンピースしか着ないんですよ。それは、上下合わせるのに時間がかかるから(笑)。
 髪巻いてネイルも入念な、全身キラキラに飾っている女の子に「時間使うの上手ですね」ってよく言われるけど、時間は同じだけあるけれど、私はそこに使っていないだけ。どの時間を削るのか、優先順位が違うんだと思います。ネイルするより、本を読みたい。子供の頃からずっとそうです。本が大好きで、本を読むか、文章を書く以外の時間はもったいないだくらいに思って生きてきたので。

— ブログも10年間、毎日のように書き続けているのがすごいなぁって思います。

はあちゅう ブログに関しては楽しいし、ストレス発散でもあるんですよ。人によって、お酒、ジム、ボーリング、カラオケとか、ストレス発散の方法っていろいろあると思いますけど。
 私は小さい時から日記も書いていたし、生きていることを記録につけることで支えられているんですよね。精神のバランスを保つ術なんです。忙しいからこそ、生きている証を残したいって思う。

— なるほど。

はあちゅう 私、いつも一定のリズムで生活しているんですね。休日でも、夜は1時に寝て朝7時に起きます。

— おお。それはすごい。普通、週末はゆっくり寝たりしますよね。それは、仕事の効率のためですか?

はあちゅう はい。生活リズムが私にとっては大切。ブログもリズムを作るためでもあります。毎日、自分の決めたことをコツコツ行っていると、心が落ち着くんですよ。これって、宗教でいう祈りに近いと思う。祈っても祈らなくても現実は変わらないと思うんです。でも、祈ると心が落ち着くんだろうなと。

林真理子さんの人生を追いかける

— 昨年の9月に会社をやめて、独立されましたよね。何か心境の変化があったんですか?

はあちゅう まずは、単純に個人の仕事量が会社の仕事を上回りそうになったんですね。平日は会社員、土日だけ週末作家としてやっていたんですけど、だんだん平日もむしばまれるようになっていって。

— なるほど。

はあちゅう すごく受けたいインタビューがあるけれど、どうしても平日の勤務時間にしか受けられないとか。雑誌の連載のお仕事をいただいても物理的に増やせない。そこで、どちらを選びたいかと考えたら個人の仕事だったんです。私は、ずっと“書くこと”を目標にやってきたから、会社はやめようって決断しました。

— この本もネットもそうですけど、会社を辞められてから書かれた文章からはより一層の気合いを感じます。

はあちゅう 毎日書かなきゃって思います。林真理子さんも、作家になりたい人は必ず毎日書きなさいっておっしゃっていましたけど、本当にそうだなと思う。

— 一方では、オンラインサロン運営に力を入れていたり、youtubeでは「ゲスアワー」という番組も制作していますよね。

はあちゅう オンラインサロンは、今、ふたつやっています。どちらも週に2、3回は記事更新しているし、会員へのコメント返しもしているので、けっこう時間は割いています。特に、経沢さんとやっている“ちゅうつねサロン”は月に1回は必ずイベントもあるので。その対応にも時間がかかりますね。

— 物理的に大変なのに、続けられているのはなぜですか?

はあちゅう 私の強みはネットであり、ネットで知ってくれた人たちに支えられていると実感しているので。そこに居場所をもっていたいんですよね。SNSではクソリプで心が折れてしまうこともあるけれど(笑)、オンラインサロンでは、私を信じて支えてくれる人がいて、前向きな議論ができる。あの場所があることで、良い仕事をしようっていう強い心が持てるんです。

— youtubeで配信している番組「ゲスアワー」に関しては? あれすごくおもしろいですよね。はあちゅうさん、こんな才能まであるんだと思いました。

はあちゅう これは会社のYoutube部門にいた時にはじめたんです。Youtubeで稼いで生活しているユーチューバーの発掘育成の新規事業チームに入っていたので、自分も実際にやってみようかなと。観ているだけだと分からないけど、ものすごく編集するのが大変。しかも、ブログは何万ビューも行くのに、動画は再生回数三千回も難しいなと。でも、動画に残すと、文章とは違うおもしろさがあるなと思うので、続けていきたいことのひとつですね。

— クリエイターとしても、いろいろ試して挑戦しているんですね。

はあちゅう はい。正直、本だけでは生きられない。まだ、私はそこまで行っていないからいろいろやっているところもありますね。それに、これからは多くの人がこういうハイブリッドな生き方をしていくんだろうなと思うから、私もその1人になりたい。

— 本書にもある「nobody からsomebodyになりたい」っていう話はすごく素敵だなと思いました。

はあちゅう ありがとうございます。何者かになりたいです。

— その言葉は、なかなか口に出せないですよ。

はあちゅう 痛いヤツだって言われますからね(笑)。結果も出していないくせに。でもアメリカではみんな素直に言うし、大きな夢を持てる人こそ、ビッグな人物みたいなムードなのに。日本はいつまでこうなんだろうって思う。

— はあちゅうさんは、10年前から口だけじゃなくて、行動し続けて、着実に夢に近づいているんですね。

はあちゅう 大きなことを言って自分で自分を追い込む意味もあります。私は見栄っ張りだし、退路を絶たないと自分を追い込めないから(笑)。

— 今、いちばん叶えたいことはなんですか?

はあちゅう 小説を書くことですね。今、プロットを書いているんですよ。アラサーの婚活中の女の子と童貞の大学生がシェアハウスで隣同士っていう設定。Twitterでメモしているような恋愛コラムとか恋愛テクニックの要素も盛り込んでいきたいなと。

— おお、今どきな設定(笑)。おもしろそうです。

はあちゅう 30歳までには成し遂げます!

— 今、おいくつですか?

はあちゅう もうすぐ29歳です。あと、1年ですね。……私、ずっと前から林真理子さんのプロフィールを手帳に書写しょしゃしていたんです。

— しょ、書写?!

はあちゅう 林さんは、28歳11カ月でエッセイ『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を出版、29歳でブレイクした……って、ずっと前の手帳に書いていたんですけど。先日、ふと手帳を読み返したら、「私も28歳でこの本を出せた。林真理子さんに帯ももらえた!」と思ってうれしかったです。もし、この本が売れたら、願う力、潜在意識の力ってすごいなって思います。

— これは今年、小説を出すしかないですね。

はあちゅう 林さんは、31歳で小説を出されています。結婚は、36歳なんです。そういうのも全部書き写していますから(笑)。

— 楽しみにしています!

(おわり)


はあちゅう(伊藤春香)

ブロガー、作家/ソーシャル焼き肉マッチングサービス「肉会」代表/有料オンラインサロン「ちゅうもえサロン」や「ちゅうつねカレッジ」を主宰。 1986年生まれ。神奈川県出身。慶應義塾大学法学部政治学科卒。 2009年電通入社後、中部支社勤務を経てクリエーティブ局コピーライターに。2011年12月にトレンダーズに転職し、美容クーポンサイト「キレナビ」編集長や動画サービスに関わる。2014年9月からフリーで活動し、講演・執筆活動、ウェブサービスの運営を続けている。


聞き手:加藤貞顕 構成:yoshirei 撮影:喜多村みか


半径5メートルの野望
半径5メートルの野望300

恋愛炎上主義。 (一般書)
恋愛炎上主義。 (一般書)

自分の強みをつくる (U25サバイバル・マニュアル) (U25 SURVIVAL MANUAL SERIES)
自分の強みをつくる (U25サバイバル・マニュアル) (U25 SURVIVAL MANUAL SERIES)

dmenu

この連載について

初回を読む
書いた人に聞いてみた。

cakes編集部

いま世間で響いているおもしろい本、素敵な本。その本を書いた人に、じっくりとお話を聞いてみます。

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

mtr_macoto https://t.co/B2Lty8cV5p 2年以上前 replyretweetfavorite

sanjikawashima 意外かもしれないが、読んでみると面白い。芯が強いのは魅力的と思う。 2年以上前 replyretweetfavorite

kenji_oda0618 前編後編 はあちゅうさんかっけー!誇れる先輩やな https://t.co/V64sLy0W0V https://t.co/6y4L7Tbd4Y 3年以上前 replyretweetfavorite