内田樹さん、村上春樹を読むべき理由を教えてください!【後編】

ケトルVol.08は、「村上春樹」特集!
ノーベル文化賞にも最も近い作家の一人と称される村上春樹。なぜこんなにも世界中の人々から愛されているのでしょうか? 思想家・内田樹さんにそんな素朴な疑問をぶつけてみたインタビュー・後編。村上作品に頻出するあるモチーフの捉え方から、村上作品の本質にさらに迫っていきます。

井戸に潜って大人になろう!

大ベストセラーとなった『1Q84』は、1984年の東京を舞台にしていながらも、空には月が2つ浮かんでいるという世界のお話。このような〝こちらの世界〞とは異なる2つ目の世界は、村上作品に何度も登場する重要なモチーフ。しかし、内田さんは2つ目の世界を、いわゆる〝パラレルワールド〞とする見方には疑問が残ると言います。

「僕たちの暮らす世界は常に揺れ動いており、ささいなきっかけでまったく違った姿に変わる。自分と他人が見ている世界も同じものではありえない。一人の人間にとってさえ、失恋したり、死病を宣告されたりすれば、世界の相貌は一変する」

村上作品のなかでは、登場人物たちはさまざまな「入り口」を通って2つ目の世界に入っていきます。それが『アフターダーク』の「テレビ」であり、『1Q84』の「首都高の非常階段」 であり、『海辺のカフカ』のその名もずばり「入り口の石」です。しかし、2つ目の世界がパラレルワールドではないとしたら、いったい何の世界なんでしょうか?

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村上春樹が大好き!

ケトル

「無駄に価値がある!」がコンセプトの、雑誌『ケトル』。その毎号の特集をcakesで配信していきます。第8弾のテーマは「村上春樹が大好き!」。村上春樹作品の主人公は優柔不断だって言われることがあるけれど、寄り道して、いろんなモノを受け入...もっと読む

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