というわけで、今回は、平井和正のジュヴナイルSF長篇『超革命的中学生集団』について。
この小説は、もともと「革命的中学生集団」のタイトルで旺文社の学習雑誌〈中一時代〉1970年4月号~10月号に連載されたのち、朝日ソノラマのジュヴナイル小説叢書〈サンヤング〉シリーズから、71年9月に単行本化された。雑誌連載時には “読者参加小説” という謳い文句で読者のアイデアを募り、実際、全7回のうち、第2、第3、第5、第6回は、読者の原案を小説にとりいれているらしい(現物未確認です、すみません)。
その後、74年6月にはハヤカワ文庫SFから、76年9月には角川文庫から再刊されたほか、2000年にe文庫からpdf版が発売。現在はKindleストアでも買える。
03年には『超人騎士団リーパーズ』と改題のうえ、大幅な改稿をほどこしたバージョンが講談社〈青い鳥文庫fシリーズ〉から刊行。05年にはその中国語訳まで出ている(北岳文芸出版社・亜洲精霊級文庫)。
初刊の〈サンヤング〉はのちのソノラマ文庫につながる中高生向けハードカバー叢書で、69年から72年にかけて、全37冊を刊行。光瀬龍『北北東を警戒せよ』『暁はただ銀色』『SOSタイム・パトロール』、福島正実『地底怪生物マントラ』などSFジュヴナイル名作群のほか、辻真先のミステリー『仮題・中学殺人事件』や、一世を風靡した小林信彦の『オヨヨ島の冒険』、井上ひさしの『ブンとフン』、さらにはTVドラマ(『からくり儀右衛門』)や漫画(『佐武と市捕物控』『どろろ』)のノベライズまである多彩なラインナップ。中高生向け娯楽小説のツボをみごとにおさえているが、その中でも異彩を放つのがこの『超革中』だった。
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