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SNS疲れの行きつく涯ては—デイヴ・エガーズ『ザ・サークル』

ソーシャルメディアの利用を重荷に感じたことはありますか? 管理しているはずのアカウントに、逆に管理されているような気分になったことは? アメリカの作家、デイヴ・エガーズの新作『ザ・サークル』は、そうしたインターネットの負の側面に想像力を膨らませ、小説の形を取って現代に警鐘を鳴らします。


『ザ・サークル』デイヴ・エガーズ/吉田恭子訳


 読み終えた時に湧き起こってくるのは「傑作だ!」という喝采でも「爽快だあ!」という気持ちよさでもなく「やれやれ……」とでもいうような諦観だ。というのも、本書で描かれていくのはどれも我々の身近なところにあるSNS疲れだとか、透明化を指向する流れを過剰に推し進めていった社会。そのどれもがうんざりするような「いま・ここ」にある現実で、同時に「ちょっと先にありえるかもしれない未来」でもある。あくまでも小説であり、フィクションではある。が、明確に現代から地続きの世界としての質感を持って、うんざりするような未来が描かれていくのだから「やれやれ」以外の感想も出てこない。かといって目を離すわけにもいかない切迫感を伴っている。

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冬木糸一

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コメント

MetJMonamour ちょっと怖いけど読んでみたくなる 4年以上前 replyretweetfavorite

shiozaway 〈SFマガジン cakes版〉第3号の記事を無料配信中。冬木糸一氏による「SF BOOK SCOPE」はこちら。「」 https://t.co/YRJyecXxtJ 4年以上前 replyretweetfavorite

kenichi_kus なかなか読みたくなる… 4年以上前 replyretweetfavorite

sayanamikawa へー。日本語版は早川からこんな表紙になってるんだー。英語のペーパーバックのあの蛍光色の感じじゃないのかしら。 http://t.co/LybbmaqKUn 4年以上前 replyretweetfavorite