0ベース思考—どんな難問もシンプルに解決できる

問題解決は「事実」を集めるだけではできない

世界でいちばん言いづらい言葉とは? いつも知ったかぶりをしてしまう人たちは、本当に自分が知っていると思い込んでいる人が多いのだそう。事実につきまとう厄介な問題とは何なのでしょうか。
『ヤバい経済学』で世間をあっといわせたシカゴ大の鬼才教授の「どんな問題にも一発で本質に切り込める」思考法を紹介した一冊、『0ベース思考』(ダイヤモンド社)よりお届けします。

第2章 世界でいちばん言いづらい言葉
──「知らない」を言えれば、合理的に考えられる

 次の短い話を聞いて、質問に答えてほしい。それじゃどうぞ。

 メアリーという女の子が、お母さんとお兄さんと一緒に海に行きました。赤い車に乗って行きました。海に着いたら、みんなで泳いでアイスクリームを食べて、砂遊びをして、お昼にはサンドイッチを食べました。

では、質問。

1.車は何色でしたか?
2.昼食にフィッシュ・アンド・チップスを食べましたか?
3.車のなかで音楽を聴きましたか?
4.食事と一緒にレモネードを飲みましたか?

 お疲れさま、どうだった? ある研究者のグループが、イギリスの5歳から9歳までの小学生に同じ質問をした。小学生の答えとあなたの答えを比べてみよう。最初の2つの質問は、子どもたちのほぼ全員が正解した(「赤」と「いいえ」が正解)。でも3問めと4問めはずっと成績が悪かった。なぜか? この2つの問いは答えられない質問なのだ—話を聞くだけでは十分な情報が得られない。

 それなのに、なんと76%の子どもたちが、「はい」か「いいえ」で答えたのだ。

 こういう簡単な質問をハッタリで切り抜けようとする子どもは、実業界や政界で成功する素質十分だ。何しろああいった世界では、何かを「知らない」と正直に認める人なんてほとんどいないのだ。昔から英語でいちばん言いづらい3つの言葉は「アイ・ラブ・ユ ー」だと言われてきた。でもそうじゃないと、心から叫びたい!

「アイ・ドント・ノー」と言うほうが、ほとんどの人にとってはずっと難しいのだ。これは残念なことだ。自分が何を知らないかを認めないかぎり、必要なことを学べるはずがないのだから。

あなたは「知っている」と思い込んでいる

 どうしていつも知ったかぶりをしてしまうのか—そしてその結果どんなツケが回ってくるのか、どうすれば知らないと言えるようになるのか—をくわしく説明する前に、まず「知っている」とはどういうことなのかを、はっきりさせておこう。

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0ベース思考—どんな難問もシンプルに解決できる

スティーヴン・レヴィット /スティーヴン・ダブナー /櫻井祐子

「ワールドカップのPKはどの方向に蹴ると入りやすい?」、「彼女とは別れた方がいい?」、「公共政策は何をすべき?」日常のお悩みも、世界を変えるかもしれない大問題も、合理的に考えれば「こっちが正解」なのに、なぜわたしたちは「正解じゃない方...もっと読む

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Atack20 月曜に日経平均株価が100円上昇することがわかっても、人の行動が読めないからどの株があがるかはわからないみたいな?。 5年以上前 replyretweetfavorite