「恵玲奈~、悠真~、パパ、シュート決めたよ~」
サヨナラホームランを打った日のヒーローインタビュー、アナウンサーの問いかけに対して食い気味に「恵玲奈~、悠真~、パパやったよ~」と妻子に報告する野球選手。まるで今日でシーズンが終わったかのようなはしゃぎっぷりだ。一方、「素晴らしいゴールでしたね」と興奮気味に問いかけるアナウンサーに、一切破顔せずに「まぁ、次がありますから。修正すべきところは修正して、次に臨むだけです」と淡々と答えるサッカー選手。近頃のサッカー選手から「恵玲奈~、悠真~、パパ、シュート決めたよ~」方向のインタビューを聞いたことがない。毎度、淡々としている。特に(おそらく長谷部誠が醸成したのだろうが)サッカー日本代表の答弁は、誰が出てきても淡々としている。
「これは質問ではなく、お願いですね」
イチローがマーリンズの入団会見後の質疑応答でファンへのメッセージを求められ、「これからも応援よろしくお願いします……とは僕は絶対に言いません。応援していただけるような選手であるために、自分がやらなくてはならないことを続けていく、ということをお約束して、それをメッセージとさせていただいてもよろしいでしょうか」と、回りくどく答えた。これを、いくつかのメディアは〝イチロー節〟と報じた。むしろ、その前に「ファンの皆さんにメッセージを」と投げた記者に「これは質問ではなく、お願いですね」と冷たく断じたことこそ〝イチロー節〟だろう。このように、質問者からのお約束に素直に答えないのは彼の得意技で、2001年、マリナーズ入団の際にも「期待しています!」の声に、「期待はいくらかけてもらっても構わないんですけど、僕は僕以上の力は出せない」と答えている。イチローは勢い任せのシンプルな問いをとことん警戒するのだ。
外部装置化するパーティーピーポー
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