飲酒強要で死亡事件はあるある話? 漢方薬は中国公務員を救えるか

中国では、官官接待で酒を飲まされて、死んでしまうという事件が珍しくないそうです。パワハラ、アルハラに苦しむ公務員の嘆きが聞こえてきそうな事件たち。中国の人は、ウコンなどの”二日酔い”に効くくすりは、飲んでいないのでしょうか。お酒と深い関係にある中国に、果たして漢方の二日酔い特効薬はないのか、村上先生がお答えします。

服用前の注意「パワハラを超えた命がけの“任務”はコワイ」

中国では、とある“任務”のために命を失う公務員が後を絶ちません。

その任務とは“飲酒”です。

2015年1月16日のテレビ番組で、官官接待で酒を飲まされた公務員が死亡していた事件が暴露されました。

死亡したのは黒龍江省の大物官僚を接待した林業局のM書記という人です。

中国では接待の席でいわゆる“乾杯”をしなければなりませんが、どうしても飲めないときは別の人が“代飲(ある人の代わりに別の人が飲むこと)”してカンベンしてもらうこともできます。

M書記は心臓病を患っていたので、同席してきた部下が“代飲”しようとしましたが、主賓は、代飲を許してくれませんでした。

M書記は止むを得ず飲酒し、次の日にホテルの部屋で遺体となって発見されました。死因は心臓発作ですが、飲酒が引き金になったのは間違いないでしょう。

後日この事件が発覚し、主賓だった官僚は降格され、中央政府の調査対象となりました。

酔っぱらって普段ならあり得ない失敗をヤラカシたり、二日酔いで地獄の苦しみを味わった経験のある人は少なくないはずです。お酒も薬物なら、せめて漢方には何かよい薬はないのでしょうか?

今回は、そういうお話です。


『山菊花集』(国立国会図書館デジタルコレクションより)

中国で横行する酒宴の席での地獄のパワハラ

さきほど挙げたケースは飲酒を強要して降格されたのが超大物だったので大きなニュースになっていますが、公務員が飲酒で死亡したり不祥事を起こすことは中国では珍しくありません。

少し古い事件ですが、2011年には派出所の所長が酒に酔って銃を乱射し、1人が死亡、別の1人が重傷を負う事件が発生しています。

また2014年4月には幹部、同僚との“昼食中”に11杯の酒を飲み干した江西省来賓市の公務員が死亡する事件が起きています。

昼間から酒を飲んでいる公務員というところから、疑問がわきますが、その上死ぬほど飲んでしまうわけですね。

仕事中に飲めるだけなら、タモリクラブみたいでうらやましいのですが、死ぬほど飲まされるとなれば、地獄のパワハラです。

中国は官僚支配のお国柄ですから、役人の不祥事など報道されないと思っている人も少なくないと思います。

ところが実際は、お役人がヤラカシタ事件は毎日のように報道されています。

テレビドラマなどでも、警察が地元のヤクザと結託して悪事を黙認するという筋書きのものなど、政府批判につながりかねない内容のものが堂々と放映されています。

テレビに出てくる悪役の類型としては、腐敗官僚は旧日本軍と同じくらい一般的なのです。

ただし報道にせよドラマにせよ、悪いのは地方政府の一部の腐敗分子であって、最後は中央政府が腐敗分子を批判、打倒するという構成になっています。

この構成、水戸黄門と似ています。

地方の権力者である悪代官をさらに大きな権力をもつ黄門様が成敗してくれる。もしも黄門様がワルだったら救いがないのですが、中央のエライ人はイイ人に決まっているのです。

中国では中央政府は人民に奉仕する正義の砦ということになっているのです。

案の定と言いましょうか、地方政府高官の腐敗を指弾するニュースと期を一にして、新年早々、国家主席の習近平の“反腐敗闘争”が喧伝されています。

この中には「一緒に食事をしている相手を監督できるわけがない」など、公務員同士の接待をたしなめるような文言もあります。

飲酒文化は根強く、なくならない

公務員同士の接待費は公費で賄われるケースが多いので、習近平が国家主席になる以前から批判されていました。

しかし公務員の飲酒問題は一向になくなりません。飲酒を通じて人的関係を築くという中国の習慣は、それだけ根強いということでしょう。

飲酒文化がなくならないとすると、中国の公務員はこれからも仕事上の酒を飲み続けることになります。

そこで最初の疑問に戻ります。

中国には酔いを早く醒ます漢方薬はないのか?

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申し訳ないほどおもしろいサブカル漢方大全

村上文崇

近年、すっかりメジャーな療法として知られるようになった漢方。生理痛や不眠症など、さまざまな症状に効く伝統的な東洋医学として認知されています。けれど漢方には、知られざるもう一つの顔があるそうで……。養生医学研究協会の会長にして、上海で現...もっと読む

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