第2回】間違いだらけ! アップル製地図の謎

地図作りにおいて、重要なのは基となるデータのうち、「何を強調して何を表示するか」という編集作業だ。実は、この作業がノウハウの塊でもあるのだ。アップルはそこに気付かずに、購入したデータを右から左へと流せば、地図が提供できると考えていた節がある。コラムでは、アップル社の地図に使い勝手の悪さを感じるあなたに、本誌がお薦めする七つのアプリ(ウェブ)をご紹介しよう。※記事は2012年11月初旬のもの

 なぜ、アップルは「地図」でつまずいてしまったのか。

 アップルは、日本国内の地図はパイオニア系の地図製作会社インクリメントPなど複数の企業からデータを購入し、日本以外ではオランダのポータブルナビメーカー、トムトムのデータが多用されている。

 もっとも、グーグルやヤフーなど地図サービスを展開する他社もゼンリンからデータの提供を受けており、基となるデータを外部から購入することは決して珍しいことではない。

 しかし、地図作りにおいて、重要なのは基となるデータのうち、「何を強調して何を表示するか」という編集作業だ。実は、この作業がノウハウの塊でもあるのだ。アップルは、どうも、そこに気付かずに、購入したデータを右から左へと流せば、地図が提供できると考えていた節がある。

 道、駅、空港、商業施設、山や川といった膨大な情報。そして、駅の名前はきちんと駅の上に重ねなければならない。そんなふうに、膨大な量の情報と属性を重ね合わせるよう設計することこそ、地図作りの肝となる。それが足りなかったり、ずれてしまえばとんでもないことが起こる。

 実在しない駅「パチンコガンダム駅」は二重三重のミスが原因だと思われる(下図「実在しない駅」参照)。かつて近隣にあったパチンコ店の名前が「ガンダム」だった。おそらく「情報が古い上に、間違えて駅に重ねてしまい、さらに駅の位置すら間違っていたのでは」(業界関係者)。

 都市機能が密集する日本では、より高度なノウハウが求められるが、「アップルは世界共通の尺度で編集したように見える」(ライバル社)。車社会の米国と異なり、日本では道路と同じくらい鉄道が重要だが、東京駅や新宿駅ですら、かなりあっさりとした表現になっている。

 こだわりのものづくりで知られるアップルだが、地図作りについては無神経過ぎたといえる。

※2012年11月初旬現在
(C)2012 Google,ZENRIN
(C)2012 Apple Inc.
(C)2012 ZENRIN,2012 Microsoft Corporation
Yahoo!ロコ 地図

【Column】
iPhoneユーザーは
この地図を使え!

普段iPhoneやiPadを使用していて、アップル社の地図に使い勝手の悪さを感じるあなたへ。本誌がお薦めする七つのアプリ(ウェブ)をご紹介しよう。無料地図検索やカーナビでいずれも便利なサービスだ。

週刊ダイヤモンド

この連載について

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カネを生む地図 10兆円市場の全貌【1】~勃発!デジタル地図戦争

週刊ダイヤモンド

アップルがiPhone5に新たに搭載した自社製の地図アプリに不具合が続出、話題を呼んでいる。もともとグーグルの地図を利用してきたアップルは、なぜその関係を捨て、拙速ともいえる自前の道を選んだのか。その背景にはデジタル地図をめぐる世界的...もっと読む

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