安倍新政権は日本人に染みついた「デフレ病」を覆せるか

グロービス経営大学院で教鞭をとる「R30」こと川上慎市郎さんによるマーケティング&マネジメント論。12月16日に終ったばかりの衆院選。選挙特番などでも話題になった政治課題のひとつが、インフレVSデフレの問題。デフレの継続するいまの状況に国民は慣れきってしまっていますが、なんとかしなくてもよいのでしょうか? あるいは、なんとかなるものなのでしょうか?  川上さんが安倍新政権の経済政策「アベノミクス」のリスクをマーケティング的に斬ります。

「デフレ克服」を思わず否定した野田首相

12月16日に衆院選があり、自民党が圧勝して3年3ヶ月ぶりに政権に復帰することが確実となりました。

安倍晋三総裁が掲げる経済政策、通称「アベノミクス」の目玉が、5年で100兆円とも言われる財政出動を行うという国土強靱化計画とともに、インフレ率2~3%を目標にして金融緩和を行う「リフレ政策」です。「日銀に国債を引き受けさせる」といった発言が選挙前から注目を浴び、円安や株高が起きていました。

経済に詳しい知識人の中では、アベノミクスは比較的好意を持って受け入れられているように思われます。ただ、マーケティング的に考えたとき、果たして「デフレは克服すべきこと」というコンセンサスが国民にあるかどうかは、微妙だと私は思っています。

よく言われるのは、デフレで得するのは年金生活者や金融資産の保有者、損するのは企業と住宅ローンなどの負債を抱える中堅労働者、ということです。要するに、物価が下落すれば貨幣の価値は上がるため、現金を持つ人や収入の固定されている人ほど買えるものが増える(=実質所得が増える)ことになり、一方で借金を負う人や売上高が低下する企業にとっては苦しくなる、ということです。

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R30::リローデッド

川上慎市郎

グロービス・マネジメント・スクールでマーケティングを教える川上慎市郎さんが、若手ビジネスパーソン向けに、マーケティング、メディア、そして教育について、深くやさしく解説をします。かつて有名ブログ「R30::マーケティング社会時評」を運営...もっと読む

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