西田藍
異星人との出会いと人類の変貌。『幼年期の終り』のお話です
SFマガジン史上初のカバーガールとして衝撃のデビューを果たしたアイドル・ライターの西田藍が、海外SFの定番を改めて読み直し、その内容を思うままに語る本誌連載がcakesにも登場です。
今回ご紹介するのは、アーサー・C・クラークの代表作『幼年期の終り』。2014年のオールタイム・ベストSF投票でも海外長篇部門第5位に選ばれた、すべての世代に愛される傑作SFを西田さんが語ります!
高次の知的生命体と邂逅したい♡ そして進化したい♡ という私のときめきポイントを押さえたこの作品を今まで読んだことなかったのは、たぶん、一番クラークを読んでいた時期に地元の図書館になかったから。そして、その後もなんとなく読む気になれなかったのは、あまりに有名で、いつのまにか読んだ気がするようになってしまったから。……もったいなかった。萌えの連続だったのだ。
米ソの宇宙開発競争が大きく盛り上がろうとしているそのとき、巨大な宇宙船団が空を覆う。明らかに人類より何段階も高次な知的生命体であることを思わせる彼らを、人々は「オーバーロード(上帝)」と呼んだ。彼らはまるで保護者のように振る舞い、姿を見せることなく地球を管理する。人種差別、動物虐待、戦争、凶悪犯罪、人間の悪徳は一掃されつつあった。
8154
false
この連載について
西田藍
2014年10月号のSFマガジン(売切御礼)において史上初のカバーガールとして衝撃のデビューを果たしたアイドル西田藍が、海外SFの定番を改めて読み直し、その内容を思うままに語る本誌連載がcakesにも登場です。紹介されるのは、幾星霜も...もっと読む
著者プロフィール
アイドル。1991年生まれ。『ミスiD(アイドル)2013』で準グランプリを受賞しデビュー。文芸アイドルとして書評、エッセイなど執筆活動も行う。NHK Eテレ「ニッポン戦後サブカルチャー史」出演。SFマガジン2014年10月号『特集:いまこそ、PKD』にて初の表紙グラビアを飾る。SFと美少女と女学生の制服が大好き。アイコンは吾妻ひでお先生にいただいた似顔絵。さゆロス乗り越え中。