●クラッシャーとは?
22世紀、ワープ機関の発明は恒星間航行を可能にし、人類は銀河系全域に進出しました。それによって形成された8,000におよぶ独立国家の連合体は、銀河連合と呼ばれました。その目的は、一国家にかたよることなく全人類の繁栄と安全を守ることにあります。
宇宙開発の初期、人々は居住可能な惑星へ植民し、それら植民惑星はやがて地球から独立し惑星国家となりました。そしてさらに惑星改造技術の発展によって、その太陽系の惑星すべてに居住が可能になると、ひとつの太陽系がひとつの国家として扱われる、太陽系国家が誕生したのです。
その際に必要となる、惑星開発にかかわる、テラフォーミング、宇宙塵塊の破壊、宇宙船の護衛、危険物の輸送、惑星調査・改造など、危険な任務を請け負う者たちが出現するようになりました。彼らは、その荒仕事ぶりからクラッシャーと呼ばれるようになったのです。
当初は、ならず者のような荒くれ集団でしたが、時とともに規律を重んじる職能グループに成長し、いまでは銀河の一大勢力としてさまざまな仕事に従事しています。
物語は、このクラッシャーのメンバーであり、凄腕のクラッシャーとして知られるジョウが率いる個性あふれるチーム(サイボーグの巨漢機長・タロス、小柄ですばしこい機関士・リッキー、元お姫様の航法士・アルフィン)が、数々の困難な依頼を、超人的な活躍でクリアしてゆくというもので、スピード感あふれるアクションと、宇宙空間を舞台にしたスケールの大きいストーリーが読者の圧倒的な支持を得て、現在、正篇11巻、別巻2巻が刊行されており、2月には最新刊『美神の狂宴』が刊行予定となっています。
●『劇場版クラッシャージョウ』とは?
《クラッシャージョウ》の大きな魅力のひとつが、安彦良和氏のイラストです。
アニメーターだった安彦氏を、高千穂氏みずから口説き落としてイラストを描いていただいたそうで、それまで見たことのなかったカバービジュアルは、当時の読者に鮮烈な印象をあたえました。
特にキャラクターにおいて、高千穂氏の設定と安彦氏の造形がみごとにマッチしており、もはや読者にとって、ジョウのビジュアルは安彦氏以外ありえない状況でしたから、《クラッシャージョウ》のアニメ化に当たって監督が安彦良和氏であることに喝采しつつ、劇場に駆けつけたのでした。
この『劇場版クラッシャージョウ』の劇場での復活上映が、このたび決定いたしました。