E-girlsとの向き合い方入門

今回の武田砂鉄さんのコラムは、CMやバラエティ番組にひっぱりだこの人気急上昇中アイドルグループ・E-girlsを取り上げます。EXILEの妹分としても知られていますが、彼女たちがしばしば口にするのは、EXILEのリーダーであり、所属事務所の社長でもあるHIROへの尊敬の言葉。もしその光景を見て、少しでももやっとしてしまう人は、きっと今回のコラムがしっくりくるはず。

ムツゴロウとHIROの違い

「年末年始にたくさん観たのですが、E-girlsとの向き合い方がよくわかりません」という類いのメールが2通も届いたので、使命感にかられてE-girlsを考え込んでいく。「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」の場合、ゆかいな仲間たち側はムツゴロウに特段リスペクトを向けているわけではない。しかし、「HIROとたくさんいる仲間たち」の場合、たくさんいる仲間たちは押し並べて彼にリスペクトを向けている。ほおずりしてたら噛まれてしまうムツゴロウさんと違って、HIROは、たくさんいる仲間たちから裏切られる可能性が微塵もない。

民衆がトップに反旗を翻す可能性が根から排除されている社会を民主主義とは呼ばないが、この組織では、君主とそれ以外というピラミッド構造が明確に示されているのに、下になればなるほど「HIROさんのおかげで自分のやりたいことができるっす!」と民主主義をアピールしてくる。選挙制度という民主主義の根幹を盾にしてがんじがらめになっているアイドルグループからは時折矛盾が表出するが、トップに絶対者がいるおかげで民主主義が保たれるというのも、これはこれで矛盾している。

入りたいアイドル1位・E-girls

J-POPシーンの定点観測として毎週「CDTV」を観るようにしているが、そのままの流れで「ランク王国」まで観ると、この番組は時たま貴重な民意を教えてくれる。昨年末、渋谷・原宿にいた女性300人に対して「入りたいアイドルグループは?」とのアンケートを実施、結果は「1位・E-girls」「2位・ももいろクローバーZ」「3位・AKB48」だった。E-girlsはしばしば「私たちはアイドルではなく、ガールズパフォーマンスグループです」(パフォーマー・楓の発言)と強調してくるが、自分たちのマーケットのピンポイントにいる層が、入りたい「アイドル」グループとして誰よりもE-girlsを挙げたのである。

小渕優子「女性は男性に負けても、いくらでも立ち直れます。」
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コメント

appbank すげーな。 4年以上前 replyretweetfavorite

hirarisa_ 実際「入りたいアイドルグループは?」1位がE-girlsであるという事実があるからな…… 4年以上前 replyretweetfavorite

shintkitter 「残存している素人臭さを、無理やり親近感に反転させている付け焼き刃マーケティングが、ケガの功名的にそれなりに機能しているヒヤヒヤ感。」って絶妙な表現だ。 4年以上前 replyretweetfavorite

slunicko613 「既存のシステムへのリスペクトのみで動いていく」 「男が用意した籠の中で女を強めても、やっぱり男に回収されていく」 4年以上前 replyretweetfavorite