現代中国で露見したおぞましい人身売買は「古くて新しい犯罪」である

跡継ぎのためならば、不妊治療はもちろん人身売買もやってしまう。嘘みたいなホントの話ですが、昔も今も跡継ぎのために人身売買は横行しているようで……。これだけ非人道的なことを許してしまうのは、なにが原因なのでしょうか。
漢方の真髄は人生を楽しむことにある!『申し訳ないほどおもしろいサブカル漢方大全』では、漢方医の村上文崇先生に相談したい質問を募集しています。健康と人生のお悩みがある方は、専用フォーム(匿名可)からお気軽にご相談ください。

服用前の注意「子を残したいという執念は怖い」

中国のニュースを見ていますと、日本では有り得ないような事件が頻繁に起きています。今回はそんな中から同じ背景を持つふたつの事件をご紹介します。

ひとつ目の事件は、今年(2015年)1月13日に済南鉄道警察が摘発した事件です。

鉄道警察は2014年の7月以来、おかしな集団を内偵していました。駅に集まった妊婦がスクラップ工場に移動し、数日滞在した後に帰って行くのですが、そのときにはお腹の膨らみが消えているのです。

スクラップ工場に乗り込んだ警察は、そのスクラップ工場が嬰児売買の現場であることを発見しました。

出産間近の妊婦がスクラップ工場にやって来て、子供を出産するまで生活し、出産すると子供を売って帰って行くのです。

スクラップ工場を借りていた男は手広く人身売買を行っていました。その後の捜査で関係者103名が逮捕され、嬰児37人が解放されたとのことです。

この事件の悲惨なところは、嬰児の親が自発的に子供を売っていたので、解放された嬰児の親が誰かわからない点です。親が判明したのはたった一人だけだそうです。

ケース2「代理母の違法仲介ビジネス」

1月10日に卵子売買、代理母の違法仲介摘発のニュースが報道されました。

卵子提供をしていたのはおおむね若い女性で、大学生やクレジットカードの返済に困った18歳の高校生なども含まれていました。

女性の容姿によって価格が決まるというシステムになっていて、場合によっては数万元(数十万円)が手に入ることから、女性のほうも安易に卵子を提供していたようです。

もっと酷いのは代理母の扱いです。男子が生まれることを売り文句にして貧しい地域の女性を代理母として採用し、妊娠後に女の子だとわかると人工流産を強制していたそうです。

卵子提供や代理母の仲介はもちろん違法ですが、莫大なマネーを支払ってもよいという人たちがいる以上、中国ではこうした闇の商売が成立してしまうのです。


不妊治療によく使われる漢方薬「当帰」(国立国会図書館デジタルコレクションより)

跡継ぎへの強烈な執着

中国には跡継ぎを残すことへの強烈な執着があります。

私が大学病院で男性不妊の漢方治療を勉強していたときのことですが、結婚して1年も経たない「患者さん」が多数来院するのに驚かされました。

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申し訳ないほどおもしろいサブカル漢方大全

村上文崇

近年、すっかりメジャーな療法として知られるようになった漢方。生理痛や不眠症など、さまざまな症状に効く伝統的な東洋医学として認知されています。けれど漢方には、知られざるもう一つの顔があるそうで……。養生医学研究協会の会長にして、上海で現...もっと読む

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