文章力は、伝達力の基本」【第15回】文章は、相手に分かる書き言葉で書く!

「日本人が日本語の文章を書くための文章力は、わざわざ身につけなくてもよい」は誤解です。子どものころに「文章を書く」という指導をきちんと受けてこなかった私たちに、入門書を得意とする作家・木暮太一さんが、文章力を身に付けるためにはどうすればよいかをお伝えします!


〔PHOTO〕Thinkstock

「分かりやすい表現」は「分かりやすい言葉」

「分かりやすい文章」「伝わる文章」を書くためには、「分かりやすい構造」にしたうえで、「分かりやすい表現」で書くことが必要です。

「分かりやすい表現」とはどういうことか? それをここから説明していきます。

「分かりやすい表現で書く」とは、一言でいうと、「分かりやすい言葉で書く」ということです。逆に言うと、「分かりやすい言葉」で書けば、「分かりやすい表現」になります。

では、その「分かりやすい言葉」とは何でしょうか? 「分かりやすい言葉」にはいくつか種類・レベルがあります。

1)基礎編:書き言葉で書く
2)中級編:相手に分かる言葉で書く

1)基礎編:書き言葉として「分かりやすい」

「話し言葉」「書き言葉」という区別があるように、日本語では話す時に使う言葉と、書くときに使う言葉は多少異なります。話し言葉でよく使われる言葉でも、文章を書く際に使ってはいけない言葉、会話では分かりやすくても、それを文章にしたら読みづらく(分かりにくく)なる言葉があります。

分かりやすい言葉で書くということは、まず「書き言葉で書く」ということなのです。普段口語で使っている単語や言い回しをそのまま文章に使うと、分かりづらくなることがあります。

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このA案は、いいです。イケてるかイケてないかと言われれば、微妙ですが、若干C案ともかぶっていますね。
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この文章を読んで「A案」は採用されるかどうか、分かりますか? おそらく、分からないと思います。この文章は「採用」とも「不採用」とも取れる表現です。

「いいです」というのが「不要です」なのか「良いです」という意味なのか分かりません。また「イケてるかイケてないかと言われれば、微妙ですが」を読んでも全く分かりませんね。

文章にするときには、以下のように表現すべきです。

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・この案は、不採用です。案自体がいいか悪いかと言われれば、どちらとも言えません。それにC案とも少し重複しています。

・この案は、良いです。案自体がいいか悪いかと言われれば、どちらとも言えません。C案にも少し共通している部分がありますね。
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このように、話し言葉でそのまま書いてしまうと、読み手が誤解することがあります。

誤解されなくても、書き言葉に

たとえ誤解を招かなくても、文章では書き言葉で書くべきです。話し言葉で書いてしまうと、一気に、だらしなく幼稚に見えてしまいます。

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先日の会議で決議した事項をちゃんと守っていれば、今回みたいな食い違いは、正直、起こらないんです。みんなで反省した方がいいというところです。

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先日の会議で決議した事項を、しっかりと守っていれば、今回のような食い違いは、起こらないと考えました。この点に関しては、全員で反省すべきです。
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この事故に関しては、普通に先方のちょんぼなので、何か言われても スルーしていいです。
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この事故に関しては、先方に非があるので、クレームなどを言われても気にせず、何も応じなくて構いません。
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会話では多少曖昧な表現でも相手の表情や雰囲気で言いたいことが分かります。しかし、書き言葉ではより厳密さが要求されるということを意識してください。

口語が全ていけないわけではありませんが、分かりづらくなる可能性があると認識しておくことが大事です。これが「分かりやすい表現にするための基礎編」です。

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