新しい情報の見つけ方

今回の「ワイングラスのむこう側」は、林伸次さんのちょっと個人的なお話。実は林さん、携帯電話を持っていません。今の時代、携帯電話がないと聞くとどれだけ不便なのかと思いますが、林さんは全くそうは感じていない様子。むしろ、ある利点があるのだとか? それは一体どういうことでしょうか?

携帯電話のない暮らし

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

インターネットや携帯電話の進化はすごいですよね。cakesを読んでいるような方はみなさん上手に使いこなしているんだと思います。

実は僕は携帯電話を持っていないし、インターネットもメール作業を含めて、朝の1時間と夜の寝る前に1時間くらいしかしません。

今時、携帯電話を持っていないとすごく困るんじゃないかと思うかもしれませんが、困ったことは1回だけです。休日の夜中にある編集部で対談の仕事があったのですが、その編集部が入ったビルの前まで行ったら、シャッターが閉まってて、管理人さんもいませんでした。その担当の編集者さんは、僕がビルの下まで来たら携帯電話で編集部に電話をするんだと想像していたみたいなのですが、僕は持っていなかったので途方にくれました。それ以外ではなんにも困ったことはありません。

例えば、僕は知らない街の知らない場所に行くときはこうしています。まず、家でその目的の場所を検索して、住所を調べます。そしてその住所をメモに書いてポケットに入れて約束の時間の30分くらい前に到着するように考えて外出します。電車を乗り継いで、目的の駅についたらまず改札のすぐ前にある大きな地図を見ます。そして、例えば「渋谷区宇田川町41」というのはこの辺りだな、と頭の中に叩き込んで、街に出ます。そして「渋谷区宇田川町15」と書かれた「標識」を探し、じゃあそろそろかな、と数字が増えていく方に歩いていきます。

最悪、どうしてもわからない時は、目に付いた個人商店に入って、ジュースとかボールペンとかを買って、できれば親切そうなおばちゃんとかを選んで、「宇田川町41の第2大久保ビルってどこかわかりますか? bar bossaっていうお店に行きたいんですけど」と話しかけます。すると「ここは宇田川町33だからもっと向こうね」とか「そのbar bossaさんってよく聞かれるのよ。わかりにくい場所なんでしょ」といった街の噂も聞くことができます。そうやってゆっくり自分の目や会話で歩いた街は「立体的」で、「街のかたち」がよくわかります。

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この連載について

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ワイングラスのむこう側

林伸次

東京・渋谷で16年、カウンターの向こうからバーに集う人たちの姿を見つめてきた、ワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さん。バーを舞台に交差する人間模様。バーだから漏らしてしまう本音。ずっとカウンターに立ち続けて...もっと読む

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コメント

nishiaratter 心の隅に覚えておきたい大事なこと⇒ 4年以上前 replyretweetfavorite

gogo_yukky  ←知らない街に行くときに検索でチェックするということはしません。まずその街に着いたら大きい商店街の1本裏に入ったところを探します。 4年以上前 replyretweetfavorite

abgk FBでこの記事を書いたときはいいね!が伸びたけど、実際にcakesではPVが芳しくないらしい。確かに場所かも。 4年以上前 replyretweetfavorite

JAMCAFEyuki これは本当にその通りですね。 "@cakes_PR: 今回の「ワイングラスのむこう側」は、林伸次さんのちょっと個人的なお話。 " 4年以上前 replyretweetfavorite