『すべてのニュースは賞味期限切れである』イベントのお知らせ
速水健朗×おぐらりゅうじ×山内マリコ「2015年、とれたて炎上案件を語る」
12/26発売『すべてのニュースは賞味期限切れである』(アスペクト)の刊行を記念して、フリーライターの速水健朗さんとおぐらりゅうじさんのトークイベントを行います。 ゲストはなんと作家の山内マリコさん! 佐村河内、STAP細胞からはじまって、アナ雪、ヘイトスピーチ、衆院選までいろんなことがありすぎた2014年も終わり、はたして2015年はどんなことが起きるのか?
日時:2015年1月22日(木)午後7時~
会場:西武池袋本店別館8階 池袋コミュニティ・カレッジ4番教室
参加チケット:1000円(税込)
チケット販売場所:西武池袋本店書籍館地下1階リブロリファレンスカウンター
お問合せ:リブロ池袋本店 03-5949-2910
http://www.libro.jp/s/blog/ikebukuro/event/2015122.php
コンテクストが複雑なものは共有されない
おぐらりゅうじ(以下、おぐら) 今回の書籍化にあたって、このcakesでの記事ごとのアクセス数ランキングを見せてもらったんですけど、実際に読まれた数字とツイートされた数字が必ずしも比例しているわけではないことに、ちょっと驚きました。
速水健朗(以下、速水) 最近だと、この連載の第46回「ダル、西島秀俊、たかじんを捕まえた最強の女たち」はそこまでツイートはされてないけど、読まれてはいた。
加藤貞顕(以下、加藤) これはやっぱり、読んでもツイートはしたくならないタイプの記事タイトルですよね。こういうのを読んでるのを知られるのって、ちょっと恥ずかしいじゃないですか。
おぐら 何をツイートするかは自己ブランディングに直結しているので、こんな下世話な記事を読んでいることを、わざわざ公にする必要ないですもんね。「私はこういうものを読んでいます」アピールしたい人にはまったく向いていない。
加藤 恋愛系の記事も同じような傾向があります。かなり読まれているのにそれほどたくさんはツイートされません。
おぐら 僕もcakesで藤沢数希さんの「女の人の男の選び方は常に間違っている」を食い入るように読みましたけど、ツイートはしませんでした……。逆に恋愛系の記事をツイートしている人の内容を見てみると、茶化したり批判したりというマイナス方向が多い印象です。
加藤 すごくメジャーなコンテンツって、基本的にポジティブなものになるんですよ。ネガティブなものは、最初話題になってもそこまで広がらない。あともうひとつポイントがあって、コンテクストがシンプルなものですね。お二人の連載は、けっこうハイコンテクストですよね。
速水 シニカルというのは、ハイコンテクストなものだしポジティブとも違うし、まあ不利ってことか。でも表現の自由みたいな事って、ペンか剣かみたいな二者択一のものだけではなく、流されずにものをいうための態度でもあるんだけど。
加藤 そうですね。ただ、単純な数字だけでいうと、書籍でもハイコンテクストなものは難しいですよ。それこそ“ふくらはぎを揉みなさい”みたいな、シンプルなメッセージの方が伝わりやすい。ベストセラーの5位にランクインしている池井戸潤さんの『銀翼のイカロス』は、日本のサラリーマン社会のコンテクストが多くの人に共有されているから売れるんですよね。
速水 健康、名言、サラリーマン、受験、売れているのは、誰もが通過したり、少なからず関係していなくてはいけない、つまりコンテクストが共有されやすい分野と言える。
おぐら そして、心と体に分かりやすく響かせることが大事だと。
加藤 『アナと雪の女王』もシンプルですよね。
速水 ディズニーねえ、この70億人の地球人の中でもディズニーを知っている人たちの数って、69億くらいはいそうだよね。僕らももう少しローコンテクストを目指さないといけないのか。
おぐら もしくは7位の『ビリギャル』を見習って、表紙を速水さんと僕ではない別の2人組にするとか?
速水 『ビリギャル』の話題って、表紙のモデルが大きかったよね。表紙の子が慶應受かったと思ってる人が多かった。
おぐら 女子高生ギャルがニュースを論じるって、売れる感じしますよ。
速水 「アメリカとキューバがワンチャン国交回復しそうなんだって」とか「経団連がベア容認とかマジうけた」ぐらいのノリで。
おぐら 「なんで解散するか知らないし、選挙とか興味ないし。でも投票行かないと叩かれるし」「ってか、うちらそもそも選挙権ないしwww」
速水 けっこういけるね。書籍は間に合わないとしても、2015年の連載はそうしようか?
おぐら キャッチコピーを「女子高生ギャルと女子マネージャーの時事放談……みたいな?」にしておけば、嘘にはならないから大丈夫ですね。
加藤 そういう方向だとツイートされないってことですよ!
本の「顧客」がだれかをつかむためにはまず書店へ
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。
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