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「人を殺しちゃいけない」理由と、コミュニケーションの関係
—— コミュニケーションの基本をご紹介いただいたところで、ひとつ気になることがあります。
吉田尚記(以下、吉田) どうぞ、何でしょう。
—— 「コミュ障」を自称しているような人は、今までにコミュニケーションで傷ついてきた人だと思います。そうした人たちは、「コミュニケーション能力は練習して身につける技術であり、誰でも上達できる」と言われても、やっぱり乗り気になれないのではないかと思うんですが、いかがでしょうか?
吉田 コミュニケーションのことを本当にどうでもいいと思っている人は、人とのコミュニケーションでは傷つかないと思うんです。傷つくということは、コミュニケーションに価値があると思ってるからです。たしかに過去に傷ついてきた以上、もうコミュニケーションなんてとりたくないと思ってしまうのは仕方ありません。でも、今回の本で紹介しているような技術は、そういう人にこそ役立つはずです。
—— コミュニケーションで傷つかない方法も書いてあるということですか?
吉田 むしろそれしか書いてないです。コミュニケーションの目的を間違えないだけで、傷つく確率は著しく下がりますからね。「コミュニケーションは気持ちよくなるため」とか「楽になるため」ですが、さらに「自分が死なないため」の必須の営みでもあるんです。
—— そうなんですか?
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