三浦貴大「自分のことを『芝居がうまい』と思ったことは一度もない」

デビュー作『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』でいきなり日本アカデミー賞新人俳優賞等を受賞した三浦貴大さんですが、自分のことを芝居がうまいと思ったことは一度もないそうです。同世代の俳優さんたちを見ては、芝居がうまいなあと感心するばかりだそうで。そんな三浦さんが今、一番演じたい役柄はどんな役柄なのか。伺ってきました。

三浦貴大がいま輝いてる3つの理由

いきなり数々の新人賞を受賞!
デビュー作『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』でいきなり日本アカデミー賞新人俳優賞や報知映画賞新人賞を受賞!

『リポビタンD』のCMに抜擢されるほどの肉体派!
大学時代にやっていたライフセービングで鍛えた肉体がかわれ、ファイト一発でお馴染みの『リポビタンD』のCMに抜擢される。結果お茶の間の人気も得た!

2015年はすでに6本の映画に出演が決定!
1月31日公開の『繕い裁つ人』をはじめ、『リトル・フォレスト冬/春編』、『マンガ肉と僕』、『種まく旅人~くにうみの郷~』、『進撃の巨人』、『サムライフ』など、すでに6本の映画出演が決定!

— 三浦さんは、過去のインタビューなどで「僕は芝居が下手なんです」と発言してらっしゃいますが、いまもそう思われることはあるんですか?

三浦 思いますね……。「自分は芝居ができているな」という感じが、まったくないんですよ。自分の芝居を見ても反省しか出てこない。「オレ、すごい! いい芝居ができている!」みたいなのは、いまだに一度も思ったことがないんです。

— え! そうなんですか。アカデミー新人賞まで受賞なさっているのに……。

三浦 完全に満足できるなんてことは、ほとんどないですよ。ひとつの作品のなかで、「ここはまぁまぁできたな」と思えるところは、ちょっとずつ見つけられる程度で。だから、いまはそんな「まぁまぁできたな」と思えるところを増やしていくのが目標ですね。でも、相変わらず増えないんですけど……(笑)。

— 謙虚ですね。

三浦 でも、俳優は僕にとって「仕事」であって、実際に僕が出演しているテレビドラマを見てくれる方たちがいたり、わざわざお金を払って映画を見に来てくれる方たちがいたりするわけです。だから、ちゃんと自分がプロの意識を持って、しっかりやらなきゃいけない。そう思うからこそ、やっぱり「僕はまだまだ芝居が下手だな」と思いますね。やはり同年代の人と芝居をしていたりすると、「なんでコイツらこんなに上手いんだろうな」とか思ってしまいますし。

— どんな部分でそう思われるんですか?

三浦 「自分にはできない事をやっているな」と思ってしまうんですよね。自分だったら、そうは演じられなかったんじゃないか、とか。もちろん、僕とは違う役を演じているからそうなのかもしれないですけどね。

理想の俳優像は作らない

— では、三浦さんが求める理想の俳優像ってありますか?

三浦 理想の俳優像はないです。全然ないです。尊敬する人はたくさんいるんですけど、理想像はあまり作らないようにしているところもありますね。

— それはなぜでしょう?

三浦 「ああいうふうになりたい」と思ってしまうと、せっかくいろんなことができる仕事なのに自分の可能性を狭めてしまうような気がしてしまうんです。

— なるほど。

三浦 僕はただでさえ、視野が狭いんですよ。「これだ!」って決めると、そこに一直線に向かって行っちゃうタイプなので。だから、なにか理想を作ってしまった場合、仮にそれが自分の性格とか趣向とかに全然向いてなくても、その道に向かって突っ走っていってしまうんですよね。だから、「こうなりたい」とか「ああなりたい」というものはあまり決めずに、自分なりにやっていけた方がいいんだろうなとは思いますね。

演じたいのは『ちびまる子ちゃん』の山田

— では、「こういう役をやってみたいな」って役柄はありますか?

三浦 なんにも考えていない役やりたいですね。

— ……といいますと?

三浦 僕が今までやってきた役柄って、基本的に「その人」が何か問題を抱えていたりとか、影があったりという役が多かったんです。だから逆に、「何も考えていない役柄」というか、「何も考えなさすぎて、むしろ何を考えているのかわからない」と深読みさせるような役柄をやってみたいんです。イメージ的には『ちびまる子ちゃん』にでてくる山田くんみたいな感じですね……。

— え、いつも空気が読めない感じで、まる子に「バカ男子」と呼ばれている、あの山田くんですか!

三浦 そうですね。いたって普通の人……というか。あまりになにも考えてなさそうで、周囲の人がイラっとするような感じがいいんですよね。これまでにも必死に考えているけれども、結局いつも間違った行動ばかりとって、結果的に周囲の人がイラっとする役柄はやったことがあるんです。でも、「こいつ、本当になにも考えてないな」って理由で周囲をイラっとさせる役をやったことがないんですよね。

— なぜ、そういう役がやってみたいんですかね?

三浦 「より難易度の高いものに挑戦してみたい」という気持ちがあるのかもしれないですね。さっきも言ったように、「なにかを背負っている」とか「陰がある」という役柄は、すごく役を作りやすいんですよ。なぜならそこに「あぁ、こういう背景があるからなんだな」と手がかりがあるから。でも、逆に「なにも背負ってないよ」となったら、多分逆にすごく難しいんじゃないかと思ったんです。

— たしかにそうですね。

三浦 「この人はどういう風にしゃべるんだろう?」「どういう風にそこに座るのか」など、本当に細かいことをイチから全部自分で組み立てていかなければならないんですよ。それは、すごく自分にとって挑戦だと思うし、すごくおもしろそうだなと思うんですよね。

— まさに、新たな挑戦ですね。三浦さんがその役を演じられるのを、楽しみにしてます!


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三浦貴大(みうら・たかひろ)

1985年生まれ。俳優。2010年に映画『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』でデビュー。主な映画出演作に『SPACE BATTLESHIPヤマト』『忍たま乱太郎』『乱反射』『麒麟の翼~劇場版・新参者~』『わが母の記』『あなたへ』『ふがいない僕は空を見た』『キッズ・リターン 再会の時』『永遠の0』『リトル・フォレスト(夏編・秋編)』などがある。公開待機作に『サムライフ』『進撃の巨人』『種まく旅人~くにうみの郷~』『マンガ肉と僕』『リトル・フォレスト(冬編・春編)』など多数あり、今注目の若手俳優の一人である。1月31日には、三島有紀子監督作『繕い裁つ人』が公開。

構成:神田桂一 写真:小島マサヒロ


『繕い裁つ人』
1月31日(土)より全国ロードショー
(c)2015 池辺葵/講談社・「繕い裁つ人」製作委員会
監督:三島有紀子『しあわせのパン』『ぶどうのなみだ』
原作:池辺葵「繕い裁つ人」(講談社 Kiss) 衣装:伊藤佐智子 脚本:林民夫 
出演:中谷美紀 三浦貴大 片桐はいり 黒木華 杉咲花 中尾ミエ 伊武雅刀 余貴美子
配給:ギャガ  ©2015 池辺葵/講談社・「繕い裁つ人」製作委員会

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いま輝いているひと。

cakes編集部

あの人は、どうして輝いているのか。いま目が離せないあの人に、たっぷりお話を伺います。

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