ぺヤングの地位をゆるがした黒光りするアイツ

ゴキブリ混入事件で市場から姿を消してしまったペヤング。さすが清潔の国・日本です。一匹のゴキブリで製品の全回収となりました。ペヤングにこれほどの影響をあたえたゴキブリ、実は漢方界でも大きな実力者? 本場中国では多用されているようで……。

服用前の注意「大きな挫折の後に成長あり」

私は薬膳の本を出したり薬膳を教えたりしているので、常にナチュラルなものを食し、インスタント食品などは食べないのであろうと誤解されることがあります。

確かにカップ麺は食べませんが、インスタント焼きそばとなると話は変わります。

私はインスタント焼きそばが好きなのです。たま~にあの味、あの食感が欲しくなるのです。

インスタント焼きそばだけで食事を済ませると、炭水化物に偏る食事になってしまうので、なんとか我慢しているのですが、できれば1回にふたつ食べたいくらいです。

ところで日本人の味の好みは振幅が少ないのか、インスタント焼きそばを製造しているメーカーはいくつかあるものの、味の差は大きくないと思います。

ちなみに中国にも「日清やきそばUFO」がある(パクリモノではありません)のですが、味付けは中華風(何種類かあります)で日本のものとはかなり違います。


中国の「日清やきそばUFO」

個人的に中国のものは、日本のインスタント焼きそばとは別カテゴリーの存在だと思います。


『千蟲譜 3巻』栗本丹洲(国立国会図書館デジタルコレクションより)

消費における物語性

味の差がほとんどなければ、消費者は何に基づいてチョイスするかというと、ひとつは値段ですが、もうひとつは物語性でしょう。

ではインスタント焼きそば界に今まで「物語」があったでしょうか?

私はまだ無いと思います。しかしその「物語」が始まろうとしている予感を感じます。

ゴキブリ混入により製品の全回収、生産ラインのオーバーホールが行われる(たぶん)。その間、ぺヤングは市場から姿を消してしまった。

これは出てきた料理に虫が入っていても、砂が入っていても、アンパンから頭髪が出てきても「中国だから」で泣き寝入りしていた私からすれば快挙です。1匹の虫で全回収。さすがは潔癖な日本です。

確か陳舜臣が言っていたのですが、挫折のない人はツマラナイ。企業も同じだと思います。

清潔を愛する日本の食文化と心中しようとして姿を消したぺヤングが復活した暁には、消滅と復活というキリストの如き「物語性」を帯びて「四角い顔」はインスタント焼きそば界のレジェンドとなるでしょう。

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