まどか☆マギカ」はSFではなかった?

『魔法少女まどか☆マギカ』『PSYCHO-PASS サイコパス』をはじめ、数々のヒット作を世に送り出してきた虚淵玄(ニトロプラス)さん。「ダークな作風」と言われることも多い虚淵さんに、創作のときに意識していることなどをうかがいました。虚淵さんが考える男性ファンと女性ファンの違いや、SFについての思いも明らかになる、『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』上映記念インタビュー中編です。

作品をこう受け取ってほしい、という意識は一切ない

— 虚淵さんの作品は、いずれも「ダークな作風」と言われたり、「ハッピーエンドじゃない」などと言われることが多いと思います。執筆しているときは、そうした読者や視聴者の反応をどれくらい意識しているんでしょうか?

虚淵玄(以下、虚淵) 真面目に意識したのは後にも先にも『仮面ライダー鎧武』くらい。あれは僕にとってはお客さんが特殊なジャンルだった。子供向けに何かを見せるというのはデリケートなので、自分なりに考えた結果があの作品です。

仮面ライダー鎧武/ガイム 第一巻 [DVD]
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— 意外です。ふだんは意識していないんですね。

虚淵 お客さんに対する信頼があるので、いつもは物語の設計に専念しています。「どうとでも受け取ってもらえばいい」と思っているんですが……さすがに子供向けとなると、信頼ありきじゃなくなってくる。もしかしたら初めて見る娯楽作品が『鎧武』かもしれないと考えると真面目になります。

— 特に気をつけたことは?

虚淵 嘘をつかないこと、ごまかさないこと。

— たしかに、「どうして悪い子になっちゃいけないか……嘘吐き、卑怯者、そういう悪い子供こそ、本当に悪い大人の格好の餌食になるからさ!」など、世の中の真理をついたセリフがもりだくさんでした。
 『鎧武』はまさにそうですが、作品を発表するごとに、虚淵さんのファン層はどんどん広がっているように思います。そうした広がりが、作り方や物語の組み立て方に影響を与えていたりはしませんか?

虚淵 ファン層に関しては、そこまで作り手が意識するところじゃないかな、と思っています。特に映像の場合、脚本家は直接お客さんの目に触れる物は作らない。ある種そこは楽観視しています。実際できあがったものを、どういうふうに日常の中に取り込んで解釈するかは、見る人それぞれの自由な場所。「こう受け取ってほしい」「こういうメッセージを伝えたい」といった啓蒙的な意識は僕の中には皆無ですね。
 今回の『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』だってそうです。話のネタにしてくれてもいいし、デートコースの添え物でもいいし、じっくり考えて違う解釈をしてくれてもいい。

女性ファンは「よく噛んで食べる」?

— 虚淵さんのお話を聞いていると、ファンへの信頼を感じます。虚淵さんのファンは男性も女性も多いですが、受け取り方に違いはありますか?

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消費」されない物語をつくりたい—虚淵玄インタビュー

虚淵玄

『魔法少女まどか☆マギカ』『仮面ライダー鎧武』など、アニメから実写まで幅広いジャンルで活躍する脚本家・虚淵玄(ニトロプラス)さん。脚本・原案を担当するアニメシリーズ『PSYCHO-PASS サイコパス』は、人間の心理状態を計測し、犯罪...もっと読む

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コメント

vip_tyosuke 6件のコメント http://t.co/RgU9LRG9Eb #SF #interview 約4年前 replyretweetfavorite

vip_tyosuke 6件のコメント http://t.co/RgU9LRG9Eb #SF #interview 約4年前 replyretweetfavorite

h_subaru こうはっきりと区分が可能なら、なぜ敢えてSFでない、という主張につながるんだろう・・・と思ったら有料会員記事だったのん > https://t.co/PUT5TE9dLy 4年以上前 replyretweetfavorite

ao8l22 虚淵玄さんに「女性ファン」についてお聞きしたインタビューはこちらです(宣伝) 4年以上前 replyretweetfavorite